Telcelのお兄さんとチアパス


温暖化担当の山岸です。
メキシコのCOP16が無事終了!最終週は忙しすぎて、ブログがほとんど書けなかったのですが、その最中のちょっと感動した話を書かせて頂きます。

国連会議では通常、仲間と連絡を取るための携帯電話を借ります。今回は、Telcelという会社の電話を現地で借り、プリペイドの通話料(クレジット)をチャージしながら使っていました。

会議第2週目のある日、私が会場内にあるTelcelのブースでクレジットを買っていると、受付のお兄さんが、私がスーツに付けていたパンダのバッジを指さして、「君はWWFで働いているのかい?」と聞いて来ました。

こんな場所で聞かれると思わなかったので、ちょっと戸惑いながら「そうですよ」と私が答えると、「WWFは素晴らしい団体だ。私は、チアパスという地方から来たんだけれど、そこに、大事な自然がある。そこを守るのは、すごい」と、たどたどしい英語で一生懸命、WWFのことを誉めてくれました。

そして、「WWFはここにも来ているの?」と聞くので、「たくさんきていますよ。ブースも構えてます」と言うと、「ぜひ行きたい」ととても熱心でした。

正直、チアパスという地名も、その自然のことも何も知らなかった私。あとで調べてみると、確かにその地方はメキシコ有数の生物多様性の宝庫で、WWFも現地の人たちと協力しながら活動しているそう(!)です。

最後には「期待しているよ!」との言葉。会議も後半、疲労がたまりしんどい時期でしたが、思わぬファンに励まされました。

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チアパス州でのWWFメキシコのプロジェクト。貧困はじめ、さまざまな問題が原因で起きる自然破壊を防ぐため、地域の有機農業支援などに取り組んできました。

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チアパスの森に生息するセジロウーリーオポッサム。メキシコでは少なくなっている、ジャガーなども生息しているらしい!

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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