シャゴマ?パーマ?謎の生きもの
2011/06/21
こんにちは、海洋担当の前川です。
先日、震災支援金を茨城県鹿嶋漁協と大洗漁協へお渡しに行った際に、こんなお話を聞きました。「魚網にからむ謎の生き物がいて、建網を掃除するのが大変だ」というのです。
茨城県では現在、原発事故の影響で、操業を中止しているコウナゴやシラス漁に代わって、刺し網の一種「建網(たてあみ)」漁が主流となっています。
この網に絡まる生物とは!?
植物のようだが、よく見ると動いており、動物らしい。見た目はくしゃくしゃで、40度くらいのお湯を使わないと、網からうまく外れないとのこと。
鹿嶋では「パーマ」、大洗では「シャゴマ」と呼ばれていますが、インターネットでしらべても、そのような名前の生き物は確認できません。
しかし、網を片付け終わった現場で、ついにその正体を確認することができました。ウミシダです。ダイビングをされる方はご存じかもしれませんが、海藻のように見えて実はヒトデの仲間(棘皮動物)。
絡み合う腕の中心には、ヒトデと同様、口を確認できます。普段は岩などにくっつき、波に揺られているウミシダはまさに海藻そのものですが、腕を巧みに動かし、泳ぎ回ることもあるようです。
ところで、大洗で使われる「シャゴマ」という別称、インターネットで調べてみると髪結いに使われる羽根飾りが出てきます。ウミシダの腕を羽根飾りに見立てたのでしょうか。
とすると、鹿嶋の「パーマ」という別称はまさにパーマヘアーのことかもしれません。
網に絡みついたくしゃくしゃの状況をヘアースタイルに例えたのでしょうか。
茨城で出会った謎の生き物、地域によって名称が違いますが、どちらも髪つながりというのは、おもしろい偶然ですね。