スマトラサイの生きる森から 日本のみなさんへ
2018/03/06
こんにちは!WWFインドネシアのテメットです。
私はボルネオ島の森で、スマトラサイを守るパトロール隊のリーダーをしています。
都会で生まれ育った私に、大きな転機が訪れたのは、3年前のことでした。
何気なくフェイスブックを見ていたら、ボルネオ島では絶滅したと考えられていたスマトラサイが、生きていたというニュースを目にしたのです。
まさか!ボルネオの森がどれだけ失われているかは大学でも学んでいたため、非常に驚いたのを覚えています。
居ても立ってもいられず、その日のうちにWWFに連絡、ボランティアとしてパトロールに参加することを決意しました。
あれから4年、今はチームリーダーとしてパトロールを実施しています。
密猟者が残した跡や罠など、一つも見逃すことのないよう、常に細心の注意を払っていますが、中でも一番神経を使うのは、実際に猟をしている人々と遭遇した瞬間です。
この地域には狩りの慣習を持つ先住民族が今も残っているのです。
他の動物を捕らえるため仕掛けた罠でも、絶滅が心配されている野生動物にとっては命取りになりうることを、誠心誠意、言葉を選びながら伝えます。
パトロール隊にも同じ民族の人がいるため、同じ民族同士でも対話に臨んでもらい、さらなる理解につなげます。
小さい頃は、自分がサイを守るパトロール隊のリーダーになるとは、夢にも思っていませんでした。
大きな責任のある仕事を与えられた機会と、日本のみなさんからの応援にいつも感謝しています。
ボルネオに息づく命、絶滅が心配される野生動物はスマトラサイだけではありません。
かけがえのない森と、森がつなぐ命を守るため、これからも全力を尽くしてゆきます。(聞き取り、編成:森林担当:伊藤)