がんばれ仔ヒョウ!野生復帰に向けたリハビリ
2015/11/28
※2023年6月26日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。
自然保護室の川江です。
先日、WWFジャパンが支援する、極東ロシアのヒョウのリハビリ施設を訪問してきました。
この施設では今、密猟者の罠にかかり前脚の指を失った1歳の仔ヒョウが保護されています。
以前、この悲劇をお伝えしたブログでは、仔ヒョウが再びロシアの森に戻れる可能性はほぼないでしょうと申し上げたのですが、なんと5か月間におよぶリハビリの結果、野生復帰の可能性が出てきました!。
前脚の手術を受けた後、この仔ヒョウは人と接することなく、再び狩りの能力を取り戻すために、3.5ヘクタールの専用の囲いの中でリハビリを受けていました。
そして、5か月の間に走ったり、木登りができるまで回復。
さらに、この仔ヒョウは、母ヒョウから狩りの仕方をしっかり教え込まれていたようで、ノウサギやシカを自分の力で捕れるまでになりました。
早ければ今月中には、専門家がこの施設を訪問し、仔ヒョウの狩りの能力や人に対する恐怖心を確認した後、野生復帰か動物園での飼育かが判断されます。
実は、この施設はトラのリハビリ施設で、アムールヒョウがリハビリを受けるのは初めてのことで、アムールヒョウの野生復帰が決まれば世界初の事例となります。
野生復帰の際には、追跡調査が可能なように発信機付きの首輪が付けられる予定で、それに慣らすために、今からダミーの首輪が付けられています。
仔ヒョウの野生復帰を願うばかりですが、専門家委員会の決定を期待して待ちたいと思います。
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