COP21会場より 「パリ合意」の最終合意をめざして
2015/12/12
フランスのパリより、温暖化担当の小西です。
こちらで開かれている国連の温暖化会議「COP21」では、10日の夜9時に公表された「パリ合意」の文書草案をめぐる交渉が、日に夜を継いで続けられています。
世界の新しい温暖化防止のためのルールとなる、この「パリ合意」。
予想通り会議は難航し、11日(金)の夕方6時をめざしていた合意の採択は、翌12日(土)に延期されました。
これまでの交渉で、「パリ協定」は、法的な拘束力をもつことが決まりました。
また、危険な気候変動を防ぐための長期目標として、「産業革命からの世界の平均気温の上昇を2度を十分下回ることを目的とし、1.5度未満に抑える努力をする」という世界共通の目的も、この段階の草案には明示されています。
そして、その目的を達成するため、すべての国が5年ごとに削減目標を提出して見直していきながら、達成努力を行なうことになる見通しです。
すなわち、「パリ協定」は、石油や石炭といった化石燃料の時代に終わりをつげ、風力や太陽光といった再生可能エネルギーなど炭素を出さないエネルギーの時代の到来を告げる、歴史の転換点となるでしょう。
今進められている合意文書の作成は、新しい歴史の創造なのです。
削減努力や資金拠出をどう分担するか。途上国の緩和や適応に必要な支援の問題など、いまだ解決をみない争点についての議論が続いています。
けれども、その課題を乗り超えなければ、地球温暖化を防ぐことはできません。各国政府の代表団、国際社会のリーダーたちには、残された時間のなかで、対立を信頼に変える努力が求められています。
議長が合意採択の木槌を振り下ろすとき、COP21が終わり、新しい時代の幕が開きます。
パリに集ったすべての参加者たちは、その歴史の転換点に立ち会おうとしています。