© Cayetano Espinosa / WWF Chile

ペンギンの夫婦と家族のかたち


11月22日は「いい夫婦の日」ということで、今日は海の人気者ペンギンの夫婦と家族のかたちについて紹介したいと思います。

野生動物の世界では、一夫一妻、一夫多妻、一妻多夫、多夫多妻など、さまざまな夫婦のかたちが存在しています。

ペンギンは、つがい(夫婦)ではないメスと交尾をする場合もありますが、基本的に一夫一妻で繁殖し、夫婦で子育てを行ないます。

ペンギンは、オスがメスに対して鳴き声で自己アピールをして求愛をします。つがい(夫婦)になると、多くの場合1回の繁殖で卵を2個産み、最終的にはそのうちの1羽のみを育てます。
© WWF-Japan

ペンギンは、オスがメスに対して鳴き声で自己アピールをして求愛をします。つがい(夫婦)になると、多くの場合1回の繁殖で卵を2個産み、最終的にはそのうちの1羽のみを育てます。

雛がある程度成長すると、両親は子どもを巣に残して餌をとりに出ていってしまいますが、雛同士はクレイシと呼ばれる集団をつくって集まるようになります。

両親は採餌から戻ってくると、声を上げてクレイシにいる子どもを呼び、自分の子どもだということを確かめて餌をあげる、というような子育てが行なわれます。

子どもがある程度大きくなったら保育園にあずけることが多い共働きの家族と、どことなく近しいものを感じるかもしれません。

マゼランペンギン。体長70センチメートル程で、胸と首のあたりに二本の黒い帯があることが特徴です。チリを含む南米大陸南部の沿岸で繁殖しています。
© WWF Chile

マゼランペンギン。体長70センチメートル程で、胸と首のあたりに二本の黒い帯があることが特徴です。チリを含む南米大陸南部の沿岸で繁殖しています。

ペンギンの夫婦と家族のかたちに親近感がわく一方、私たち人間の暮らしが深く関わる気候変動や過剰漁獲によって、彼らの暮らしが危ぶまれています。

マゼランペンギンやフンボルトペンギンが繁殖する南米のチリでは、餌となる小魚の過剰な漁獲や、漁業の網に誤ってかかる混獲が起きています。

そして、このようにして獲られた小魚を餌の原料として養殖されたサーモンを、日本に住む私たちが食べているのです。

沿岸に設置された漁網に誤ってかかってしまったマゼランペンギン。小魚の漁業のほか、こうした他の多くの漁業でも、混獲によって怪我や命を落とすといった事故が起きています。
© Cayetano Espinosa / WWF Chile

沿岸に設置された漁網に誤ってかかってしまったマゼランペンギン。小魚の漁業のほか、こうした他の多くの漁業でも、混獲によって怪我や命を落とすといった事故が起きています。

日本の食が関わる問題に対して、私たちはチリの小魚の漁業をサステナブルにするための活動を行なっています。

豊かな生態系をもつチリの海が、マゼランペンギンやフンボルトペンギンの夫婦や家族を含めた野生生物の楽園であり続けるためにも、取り組みを推進していきます。(海洋水産グループ 吉田)

海流の贈りもの

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自然保護室(海洋水産)
吉田 誠

チリ、インドネシア、中国のフィールドプロジェクトを担当。

田舎生まれの田舎育ち。こどもの頃から自然の中で遊ぶことが好きで、自然を守る仕事がしたいと思っていたところ、WWFと出逢いました。海の環境、海の生きものを守るため、頑張ります。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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