お菓子の奥に見える森
2017/02/16
先日、事務局で先輩スタッフの机に置いてあった外国のお菓子(グミ)の袋の成分表示に「Palm Kernel Oil (パーム核油)」という文字を見つけました。
世界一使われる植物油のパーム油が、グミにも?!と驚きました。
このパーム油という言葉から思い出す風景があります。
インドネシアのスマトラ島を飛行機の窓越しに見た景色です。
かつて熱帯林だった場所に造られた、地平線まで広がるアブラヤシのプランテーション。
写真にも納まらないその規模に、手汗が止まらないまま、シャッターを切り続けていました。
どんな言葉をもっても、あの時の気持ちは表せません。
日本列島よりも大きなスマトラ島の森は、過去30年間で半減しました。
その熱帯林破壊の大きな要因の一つが、パーム油の生産です。
私たちはこれを解決する手段として、生態系や地域で働く人たちの権利を守って生産された、持続可能なパーム油を認証する制度「RSPO」を推進しています。
このRSPOマークが付いたパーム油を作り、それを使った製品を選んで買えば、誰もが森林保全を応援できるのです。
多くの食品や化粧品、洗剤に使用されながらも、日本では一般的に「植物油」と表示されるため、買う人の目に「パーム油」という文字がふれる機会はほとんどありません。
ですが、「植物油」を使うメーカーに、RSPOの認証油を使っているかどうか聞いてみることはできるはず。
そして、消費者としての問題意識を生産者に知らせることは、パーム産業を変え、森を守る力になります。
私も今回、このグミを調べてみることにしました。
すると、マークこそ付いていなかったものの、RSPOの認証油を100%使っていたことが判りました!すごい!!と、グミに2度も驚かされた一日でした。(自然保護室 伊藤)