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家庭の温暖化対策のカギは「窓」!


温暖化対策というと、「電気をなるべく消す」「省エネタイプのエアコン・冷蔵庫に取り換える」などがまず頭に浮かびます。
特に光熱費の節約にもなる省エネタイプの家電は、検討する方が多いと思います。

ですが実は「窓の対策」が非常に効果的な対策!

日本の家は、徒然草で有名な「家のつくりやうは、夏をむねとすべし」の精神からか、熱が逃げてしまいがちな構造がまだ主流。
いくら効率のよいエアコンに買い替えても、断熱効果が低いと効果は減少します。

ということで、家の断熱効果をいかに高くするかが、家やビルの温暖化対策の上で重要なのです。
そしてその効果を高めるカギが、熱や冷気の逃げやすい「窓」!

最近の新築の家は、最初から断熱効果が高い窓が実装されている例が多いですが、一番の課題は全国にすでにある既存の家の断熱効果をいかにあげていくかです。

そんな中、明治時代に、日本初の板ガラス工業生産を始めたAGC株式会社(旧社名:旭硝子株式会社)を訪問し、いい情報を教えていただきました!

窓は、建築物の中で最も熱の出入りが大きい場所。夏に窓から入り込む熱の割合は約7割、冬場はおよそ5割の熱が、窓から逃げ出してしまうそう。つまり、窓の遮熱性と断熱性を高めることは、建築物の省エネ機能そのものを向上させることにつながります(画像はAGC本社の窓)
©WWFジャパン

窓は、建築物の中で最も熱の出入りが大きい場所。夏に窓から入り込む熱の割合は約7割、冬場はおよそ5割の熱が、窓から逃げ出してしまうそう。つまり、窓の遮熱性と断熱性を高めることは、建築物の省エネ機能そのものを向上させることにつながります(画像はAGC本社の窓)

遮熱・断熱効果があるエコガラスを、既存の家の窓に、後からペタッと付けられるものがあるそうなのです。その名も「アトッチ」!

私も『アトッチ』がつけられた窓を見てみましたが、まったく見た目ではわかりません。
これで、日射率は約60%削減、断熱性はおよそ3.7倍に向上する計測結果が出ているそうです!

「アトッチ」の効果を実感!実際にその日は晴れて強い日差しが注いでいましたが、窓のそばにいても涼しく感じました。
©WWFジャパン

「アトッチ」の効果を実感!実際にその日は晴れて強い日差しが注いでいましたが、窓のそばにいても涼しく感じました。

断熱効果が高い家は、冬に場所による温度差も小さく、健康的に過ごせる家でもあります。
こうした『窓対策』が当たり前の温暖化対策、かつ健康対策になっていってほしいです!

今回の取材内容の詳細は、「隔月刊 地球温暖化」にて掲載予定のAGC訪問記事前偏を、ぜひご覧ください。

AGC株式会社ご担当者の皆さんと。取材を終えて。
©WWFジャパン

AGC株式会社ご担当者の皆さんと。取材を終えて。

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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