WWFジャパン「自然公園における地熱開発等についてのポジション・ペーパー(2021年7月版)」


気候変動問題による深刻な危機を脱するため、2050年までに脱炭素社会の実現が求められています。その切り札である再生可能エネルギーの普及拡大が喫緊の課題となる一方、開発による自然環境への影響が懸念されています。日本が世界第3位の資源量(ポテンシャル)を有する、地熱発電の開発もその1つです。

地熱発電は、太陽光や風力に比べて、比較的小面積で建設ができ、昼夜問わず安定的に発電できる特徴をもっています。国土の狭い日本において、効率よく発電できる地熱発電は重要な再生可能エネルギーですが、資源の多くが国立・国定公園など自然公園内やその周辺に存在していることから、十分な配慮無く開発が進められた場合には、生態系に大きな影響を及ぼします。
WWF ジャパンのポジション・ペーパーでは、“開発と保全(再生可能エネルギー普及と自然環境の保全)“の両立を図る観点から、自然公園における地熱開発等について、以下のとおり考えを整理しました。

  • 特別保護地区、第1種特別地域(地表)では一切の開発を行うべきではない
  • 第1種特別地域(地下)、第2,3種特別地域(地表)での開発は、厳格に審査をして優良事例のみを認め、原則は開発禁止とすべき
  • 第2,3種特別地域(地下)の開発は、原則開発禁止とはせず、優良事例となるような配慮を伴った事業開発であれば開発を許可していくべき
  • 普通地域での開発は、十分な配慮を伴ったものについては、開発を許可していくべき

【全文】自然公園における地熱発電等の開発に関するWWFポジション(PDF形式)

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