【第1部:省エネルギー編】 第4章 WWFシナリオのまとめ
2011/08/25
第3章で説明したような計算により、WWFシナリオのエネルギー需要とCO2排出量を まとめると以下のようになった。表4-1には、BAUシナリオの最終用途エネルギー需要 を示した。表4-2には、WWFシナリオの最終用途エネルギー需要を示している。
1990 | 2008 | 2020 | 2030 | 2050 | 2020/ 1990(%) | 2030/ 1990(%) | 2050/ 1990(%) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
産業部門計 | 160,864 | 155,988 | 166,309 | 158,732 | 136,499 | 103.38 | 98.67 | 84.85 |
民生部門計 | 78,847 | 92,117 | 101,780 | 99,025 | 87,093 | 129.09 | 125.59 | 110.46 |
- 家庭計 | 42,380 | 51,902 | 54,957 | 51,906 | 43,228 | 129.68 | 122.48 | 102.00 |
- 業務計 | 36,467 | 42,338 | 46,823 | 47,120 | 43,805 | 128.40 | 129.21 | 120.12 |
運輸部門計 | 74,386 | 84,255 | 73,707 | 64,206 | 46,916 | 99.09 | 86.32 | 63.07 |
- 旅客計 | 44,922 | 54,771 | 45,784 | 38,187 | 25,262 | 101.92 | 85.01 | 56.24 |
- 貨物計 | 29,464 | 29,485 | 27,923 | 26,019 | 21,654 | 94.77 | 88.31 | 73.49 |
非エネルギー | 8,772 | 4,465 | 4,175 | 3,834 | 3,074 | 47.59 | 43.70 | 35.04 |
合計 | 322,869 | 338,948 | 345,971 | 325,798 | 273,522 | 107.16 | 100.91 | 84.72 |
1990 | 2008 | 2020 | 2030 | 2050 | 2020/ 1990(%) | 2030/ 1990(%) | 2050/ 1990(%) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
産業部門計 | 160,864 | 155,988 | 138,384 | 122,114 | 91,543 | 86.03 | 75.91 | 56.91 |
民生部門計 | 78,847 | 92,117 | 68,759 | 58,307 | 46,854 | 87.21 | 73.95 | 59.42 |
- 家庭計 | 42,380 | 51,902 | 37,211 | 30,940 | 24,262 | 87.80 | 73.01 | 57.25 |
- 業務計 | 36,467 | 42,338 | 31,548 | 27,367 | 22,592 | 86.51 | 75.05 | 61.95 |
運輸部門計 | 74,386 | 84,255 | 58,271 | 43,824 | 25,820 | 78.34 | 58.91 | 34.71 |
- 旅客計 | 44,922 | 54,771 | 35,474 | 26,511 | 16,624 | 78.97 | 59.01 | 37.01 |
- 貨物計 | 29,464 | 29,485 | 22,798 | 17,313 | 9,196 | 77.37 | 58.76 | 31.21 |
非エネルギー | 8,772 | 4,465 | 4,175 | 3,834 | 3,074 | 47.59 | 43.70 | 35.04 |
合計 | 322,869 | 338,948 | 269,590 | 228,078 | 167,291 | 83.50 | 70.64 | 51.81 |
合計のみをまとめると以下のようになる。WWFシナリオの2050年の最終エネルギー需要は、2008年と比較して49.4%に削減されている。
エネルギー(1000TOE) | 1990 | 2008 | 2020 | 2030 | 2050 |
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BAUシナリオ | 322,869 | 338,948 | 345,971 | 325,798 | 273,522 |
WWFシナリオ | 322,869 | 338,948 | 269,590 | 228,078 | 167,291 |
WWFシナリオの2050年の最終用途エネルギー需要は、BAUシナリオと比較して、2億 7352万トンOEから1億6729万トンOEに38.8%の減少である。1990年と比較すると、2050 年には、3億2286万トンOEからの減少であり、51.8%に低下している。2020年をみると、 1990年から83.4%に減少している。
CO2(100万トンCO2) | 1990 | 2008 | 2020 | 2030 | 2050 |
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BAUシナリオ | 1,059 | 1,168 | 1,067 | 946 | 712 |
WWFシナリオ | 1,059 | 1,168 | 831 | 662 | 435 |
CO2排出量の計算については、WWFシナリオではエネルギー供給側の詳細が確定して いないため、ここではBAUシナリオのCO2原単位を用いて計算した。その結果を以下の表 4-4に示す。
WWFシナリオの2050年のCO2排出量は、BAUシナリオと比較すると、7億1200万トン CO2から4億3500万トンCO2となり、61.1%に減少している。1990年と比較すると10億5900万トンCO2からの減少であり、2050年には41.1%に低下している。2020年を見ると、 1990年から78.5%に減少している。
5900万トンCO2からの減少であり、2050年には41.1%に低下している。2020年を見ると、 1990年から78.5%に減少している。
ただし、ここでのCO2排出量は、BAUシナリオのCO2原単位を使用して計算している。 (最終報告ではエネルギー供給側の技術を検討しており、再生可能エネルギーを大きく導 入した場合のCO2原単位を使用して計算する予定である)
参考文献
1)経済産業省資源エネルギー庁(2010)「2030年のエネルギー需給の姿」(総合資源エネルギー調査会基本計画委員会第4回会合資料・2010年6月8日)
2)日本エネルギー経済研究所・計量分析ユニット/編(2011)『エネルギー・経済統計要覧』 省エネルギーセンター
3)西岡秀三/編著(2008)『日本低炭素社会のシナリオ:二酸化炭素70%削減の道筋』日刊工 業新聞社/2010年12月に改定された80%削減シナリオは:国立環境研究所AIMプロジェクト チーム(2010)「日本低炭素社会に向けた道筋検討:2050年CO2排出量80%削減社会実現に 向けて」(中央環境審議会地球環境部会第92回会合資料・2010年12月28日)
4)McKinsey & Company(2009)Pathway to a Low-Carbon Economy: Version 2 of the Global Greenhouse Gas Abatement Cost Curve.
5)財団法人エネルギー総合工学研究所(2006)「超長期エネルギー技術ロードマップ報告書」
6)東京大学RCAST脱温暖化IT社会チーム 電通・消費者研究センター/編(2007)『2050年脱 温暖化社会のライフスタイル』電通
7)総務省(2008)「『地球温暖化問題への対応にむけたICT政策に関する研究会』」報告書」
8)クールシテイ・エコシテイ普及促進勉強会/編著 尾島俊雄/監修(2010)『緑水風を生か した建築・都市計画』建築技術
9)Jonathan M. Cullen and Julian M. Allwood(2010)Theoretical efficiency limits for energy conversion devices. Energy. 35(5): 2059-2069
10)日本損害保険協会ウェブサイト「エコ安全ドライブ」
11)槌屋治紀(2006)「ソーラーアシスト・ビークルの設計」『太陽エネルギー』(日本太陽エネ ルギー学会誌)22(3): 57-62
脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案 <第一部・省エネルギー>
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