朝日SDGs ACTION!ウェビナー「WWFと考える SDGsの実践セミナー」第2回 企業と生物多様性 開催
2023/09/14
- この記事のポイント
- 2023年8月30日、WWFジャパンは朝日新聞SDGs ACTION!編集部との共催によるウェビナー「WWFと考える SDGsの実践セミナー」の第2回「企業は生物多様性とどう向き合うか 森林保全の事例から」を開催しました。今回は持続可能な森林利用の国際認証FSC®の認証材を使った先進的なビジネスに取り組む株式会社エコ建築考房をお招きし、その取り組みの軌跡を紹介。WWFジャパンからも、企業によるこれからの森林保全と生物多様性保全の取り組みの在り方について解説しました。当日の参加者は約330名。多数のご質問を頂きました。
企業による生物多様性の取り組みの形を紹介
WWFジャパンが朝日新聞SDGs ACTION!編集部との協力のもと、サステイナビリティーや脱炭素、生物多様性などに関心のある企業関係者に向け、2021年より実施してきた連載企画「WWFと考える~SDGsの実践」。
その一環として2023年8月30日、企業の環境への取り組みの最前線を語ってもらうウェビナーの第2回を開催しました。
このウェビナーは、各分野の企業より、SDGsに関連した部署の担当者や経営者をお招きし、先進的な社としての取り組み、また、その経緯などをご紹介するものです。
第2回のテーマは、「企業と生物多様性 森林保全の先進企業と語り合う」。
愛知県一宮市の工務店、株式会社エコ建築考房の喜多茂樹社長をお招きし、持続可能な森林利用の国際認証である「FSC認証」を活用した同社の取り組みについて、お話しいただきました。
また、WWFジャパンからも自然保護室・森林グループ長の相馬真紀子が登壇。エコ建築考房の取り組みの意義や、企業による森林保全や生物多様性の取り組みの在り方、またその中で重視すべきさまざまな要素についてお話しいたしました。
世界の森林を守る仕組み「FSC認証」とその活用を通じた企業による生物多様性保全
WWFジャパンが朝日新聞SDGs ACTION!編集部との協力のもと、サステイナビリティーや脱炭素、生物多様性などに関心のある企業関係者に向け、2021年より実施してきた連載企画「WWFと考える~SDGsの実践」。
その一環として2023年8月30日、企業の環境への取り組みの最前線を語ってもらうウェビナーの第2回を開催しました。
このウェビナーは、各分野の企業より、SDGsに関連した部署の担当者や経営者をお招きし、先進的な社としての取り組み、また、その経緯などをご紹介するものです。
第2回のテーマは、「企業と生物多様性 森林保全の先進企業と語り合う」。
愛知県一宮市の工務店、株式会社エコ建築考房の喜多茂樹社長をお招きし、持続可能な森林利用の国際認証である「FSC認証」を活用した同社の取り組みについて、お話しいただきました。
また、WWFジャパンからも自然保護室・森林グループ長の相馬真紀子が登壇。エコ建築考房の取り組みの意義や、企業による森林保全や生物多様性の取り組みの在り方、またその中で重視すべきさまざまな要素についてお話しいたしました。
ウェビナーではまず、WWFジャパン森林グループ長の相馬真紀子から、近年の生物多様性のへの関心の高まりと、ネイチャー・ポジティブなどの重要なキーワード、そして企業に求められる取り組みの在り方について紹介しました。
相馬は、世界的に生物多様性の危機が深刻なビジネスリスクと見なされるようになっていること、TNFDやSBTNといった企業に求められる情報開示や目標設定の仕組みがスタンダードになり始めている現状を指摘。
その中で、企業によるサステナブルな調達を支える手段の一つに、持続可能な森林利用を認証する「FSC認証」の仕組みがあることを説明し、そうした取り組みの活用を呼びかけました。
続いて株式会社エコ建築考房の喜多茂樹社長より、同社の成り立ちとそのビジネス・コンセプトを紹介。その重要な視点として「道徳と経済」を掲げ、これを実現する手段として、FSC認証のようなサステナブルな建材の利用に取り組み始めた経緯をお話しくださいました。
エコ建築考房では、FSCのプロジェクト認証を取得し、FSC認証木材を使った戸建て住宅の建築・販売を開始。その後、店舗や公共性のある施設建設も手掛けるようになりました。
その中で、FSC認証を受けた木材の流通を広げていくため、生産者である岐阜県の東白川村の林業者やWWFとも連携した取り組みを拡充。
自社のサプライチェーン全体を視野に入れ、関係者が相互にFSC認証のような仕組みの重要性について理解を深めていく試みも行なっています。
この後、朝日新聞SDGs ACTION!の竹山栄太郎副編集長のコーディネートのもと、エコ建築考房による取り組みの先進性や、FSC認証、森林保全が生物多様性保全にどうつながっているのかについて、参加者よりお寄せいただいたご質問にも応答しながら、トークセッションを実施しました。
WWFの相馬は、FSC認証の取得にどのような意味があるのか、という質問について、FSCのような仕組みが、森林の現場と木材や紙の消費をつなぐものであり、これをサステナブルなものにすることで、国境を超えた森林保全に貢献できること。それが、海外だけでなく、国内や地域間でも同じように実施できる点が重要であることを指摘。
喜多社長からは、FSC認証を活用することにしたきっかけや、その拡大に向けて、WWFを含むさまざまなステークホルダーとの協力が、大きな力になってきたことをお話しいただきました。
そして、その中で、FSCに対する理解や活用の意識がまだまだ低く、調達やプロジェクト認証の取得にもさまざまなハードルがあり、その課題は今も続いています。
喜多社長には、ここまでの道のりと実績について振り返っていただきながら、自社他者を問わず、業界全体でFSC認証の取り組みを拡大していきたい、という強いお気持ちを語っていただきました。
また、エコ建築考房が使っている木材を生産している東白川村の林業者や、実際に店舗の建築を依頼した業者の方々によるビデオメッセージも紹介。同社が、FSC認証のような取り組みの大切さを伝える点についても、尽力していることをお話しいただきました。
今回のウェビナーは、森林の保全につながるビジネスの在り方、そのサステナビリティを担保するFSC認証という国際的な仕組みを通じて、企業が生物多様性に対して実践する事が可能な取り組みの一つの形を示す機会となりました。
これを機に、企業による生物多様性に対する関心がより高まり、サプライチェーン全体を視野に入れた、具体的な試みが広がっていくことが期待されます。
なお、本ウェビナーについては、2023年9月中に、朝日新聞SDGs ACTION!のウェブサイトに採録記事が掲載される予定です。
イベント概要:WWFと考える SDGsの実践セミナー『企業は生物多様性とどう向き合うか 森林保全の事例から』
開催日:2023年8月30日
会場:オンライン開催
参加者:約330名(当日)
登壇(敬称略):
株式会社エコ建築考房 代表取締役社長 喜多茂樹
WWFジャパン森林グループ長 相馬真紀子
朝日新聞SDGs ACTION! 副編集長 竹山栄太郎
主催:朝日新聞SDGs ACTION!編集部、WWFジャパン