自然エネルギーは「くいとめる!」
2014/01/16
日本を含む先進国の暮らしは、すみずみまで電気や燃料(ガソリンやガスなど)に頼っています。それだけに、化石燃料から自然エネルギーに切り替えるのは簡単でないのも事実。それでも、チャレンジする意義があるのは、今、私たちが直面している大きな問題をくいとめる力が、自然エネルギーにはあるからです。
地球温暖化をくいとめる!
石油、石炭、天然ガスなどの「化石燃料」を掘り出して燃やすと、地中に閉じこめられていた炭素が、CO2(二酸化炭素)となって大気中に放出されます。その結果、大気中のCO2濃度がどんどん高まって起きるのが地球温暖化です。
でも、自然エネルギーなら、大気中のC02濃度を高めることなく、エネルギーが作れます。そのため、必要なエネルギーを確保しながら、温暖化をくいとめることもできるのです。
よく、「温暖化を防ぐには、江戸時代みたいな暮らしに戻らなければいけないの?」と言う人がいますが、そんなことはありません。無駄なエネルギーをカットすることと、自然エネルギーを増やすことを組み合わせれば、生活の質を落とすことなく、CO2を減らすことができるからです。
温暖化が進んでいることを証言する!「温暖化の目撃者」
温暖化って、どうやら「あったかくなる」だけじゃないらしい。誰もがそう気づき始めています。異常気象が発生する割合が増えてきたり、季節がずれてきたり。私たちの暮らしにも、地球の自然環境にも、さまざまな「温暖化の影響」が現れはじめています。
- 温暖化の目撃者① 「八重山の海から魚が消える」(日本)
- 温暖化の目撃者② 「失われる白神山地・ブナの森」(日本)
- 温暖化の目撃者③ 「温暖化が人の健康をおびやかす」(日本)
- 温暖化の目撃者④ 「島を襲うランド・ウンター」(ドイツ)
- 温暖化の目撃者⑤ 「温暖化がもたらす凶作と病気」(ケニア)
原子力への依存をくいとめる!
原子力発電も、電気を作るときにCO2を出しません。そのため、日本では、原発の推進が温暖化対策の柱として位置づけられてきました。
しかし、ひとたび事故が起きたとき、原発がどれほど深刻な環境汚染を招き、どれほど周辺にすむ人々の暮らしや心身を傷つけ、どれほど多大なコストを生むかを、私たちは今、いやというほど思い知らされています。放射性廃棄物の処理方法も、めどが立っていません。
自然エネルギーに切り替えていくことは、さまざまな危険と多大なコストをはらむ原発への依存をくいとめることにもつながります。
エネルギー自給率の低下をくいとめる!
電気やガソリン、都市ガスなどを作る上で必要になるエネルギー(資源)のことを「一次エネルギー」といいます。
現在、日本の一次エネルギーの96%が、海外から輸入されています。なぜなら日本で使われている一次エネルギーのほとんどが、石油、石炭、天然ガス、原子力発電のためのウランという、日本では充分に採れないもので占められているからです。その輸入には、年間15~20兆円もの資金が投じられています。
国産の一次エネルギー、つまり、エネルギー自給率はたった4%。これまでは、「日本は資源がない」と言われてきました。けれども、太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなどの自然エネルギーなら、たっぷりあります。
また、「自然エネルギーはコストがかかる」といわれますが、自然界から得られる太陽光や風力を使えば、燃料費はかかりません。そのため、設備を作るときにコストがかかったとしても、将来、それを回収していくことができます。
一方、石油や石炭や天然ガスの輸入にかけたコストは、1度燃やせば消えてしまう費用です。