遊びながら環境を学ぶ、「ARでうごく!熱帯林の野生動物オリガミ」キャンペーンを実施

この記事のポイント
2023年6月22日「世界熱帯雨林の日」に合わせて、子どもたちが遊びながら楽しく環境を学ぶキャンペーンを開始しました。トラやオランウータンの折り紙がAR空間で動き出し、熱帯林でいま起きていること、自然や野生動物を守るために暮らしの中でできること、認証マークの大切さなどを教えてくれます。
目次

トラとオランウータンの折り紙が動き出す!?

日本の伝統的な折り紙とARを組み合わせて熱帯林の現状を知る

トラとオランウータンの折り紙とAR表示のイメージ

トラとオランウータンの折り紙とAR表示のイメージ

年間を通じて温暖で雨量の多い地域に広がる熱帯林は、豊かな自然と水にあふれ、地球上でもっとも多様な野生動物が生きる自然環境の一つです。しかし今、その熱帯林は急速に減少し、そこに暮らす多くの野生動物たちが絶滅寸前の危機にさらされています。世界の森林が減少している主な要因は、農林畜産物の拡大と言われており、牛肉やパーム油、大豆、コーヒー、カカオ、ゴムといった日常生活にも身近な農畜産物の飼育や栽培のために、日々広大な自然の森が切り拓かれているのが現状です。

その事実をリアルに伝えるために、2023年6月22日の「世界熱帯雨林の日」(※1)より、絶滅危惧種の野生動物(トラ・オランウータン)を日本の伝統である折り紙にして、出来上がった動物の折り紙を専用のARカメラで読み込むと、AR空間上で野生動物の折り紙が動き出し、彼らの生息地で何が起きているのかを伝えてくれるというユニークなキャンペーンを開始しました。

このキャンペーンでは、熱帯林の現状を伝えるとともに、熱帯林の減少や野生動物の絶滅を食い止め、持続可能なかたちで管理・保護するために、日々の暮らしの中でできることも問いかけます。そのひとつとして提案しているのは、いつもの買い物で認証マークのついた商品を選ぶこと。例えば、「RSPO認証」(※2)や「FSC(R)認証」(※3)は、環境保全の点から見て適切で、社会的な利益に適い、経済的にも継続可能な、責任ある管理をされた森林や農園、また林産物、パーム油などの責任ある調達に対して与えられる認証です。消費者は、この認証マークが入った製品を買うことで世界の森林保全を応援できる仕組みです。

RSPO認証マーク

RSPO認証マーク

FSC®認証マーク

FSC®認証マーク

折り紙に続いて、様々な製品に付いている認証マーク(RSPOもしくはFSC®マーク)をARカメラで読み込むと、動物がすむ熱帯林と製品を作るために適切に管理された森が映し出され、認証マークを選ぶ大切さを教えてくれます。また、キャンペーン特設サイトからは、自由研究シートも無料でダウンロードできます。

※1「世界熱帯雨林の日(World Rainforest Day)」とは
気候変動対策、生物多様性、文化、生計にとって健全な熱帯林の重要性に想いを馳せ、それらを保全し回復するための世界的な運動を呼びかける日として、イギリスの保全団体により制定されました。
※2 手つかずの自然林や保護価値の高い地域で新たにパーム油農園を開発しないことをはじめ、野生動物の保護、労働者の安全や権利保護に関する基準を作成、それを満たす農園と製品を認証しています。RSPOマークのついている製品例:ポテトチップス、カップ麺、マーガリン、石鹸・洗剤 など
※3 豊かな森林を守れているか等を定期的にチェックする森林管理の観点と木材製品が消費者の手に届くまでの全ての過程において不適格なものが混ぜられていないかの観点で審査し、それを満たす木材や紙製品を認証しています。FSC(R)マークのついている製品例:家具、紙パッケージ、紙パック、ティッシュ、コピー用紙、など

環境教育のツールとしてもぜひご活用ください

本キャンペーンでは、上野動物園での夏休み親子体験イベント(※2)などを通じて、たくさんの方に熱帯林やそこで暮らす野生動物の現状を伝えてきました。自分自身で一生懸命に折った折り紙がARで動き出し、熱帯林の現状を語りかけてくるストーリーは共感を呼び、子どもたちが遊びながらも、熱帯林で起きていることは決して遠い世界のことではなく、日々の暮らしと深く結びついていることを知り、また認証マークの大切さを学ぶことができる機会となっています。ぜひ、小学校や中学校、児童福祉施設など様々な教育施設で、環境について学ぶツールとしてご活用ください。

折り紙を折る(所要時間 20分程度)

折り紙を折る(所要時間 20分程度)

折り紙を折ったら、ARカメラを起動して読み込む(所要時間 5分程度)

折り紙を折ったら、ARカメラを起動して読み込む(所要時間 5分程度)

折った折り紙がAR空間で動き出し、熱帯林の現状を伝えてくれる。特設サイトには、文章でも熱帯林の課題や認証マークの紹介が詳しく記載されている。(所要時間 5分程度)<br>

折った折り紙がAR空間で動き出し、熱帯林の現状を伝えてくれる。特設サイトには、文章でも熱帯林の課題や認証マークの紹介が詳しく記載されている。
(所要時間 5分程度)

認証マークを探して、ARカメラでマークを読み取ると野生生物の森が蘇る(所要時間 5分程度)<br>

認証マークを探して、ARカメラでマークを読み取ると野生生物の森が蘇る
(所要時間 5分程度)

環境教育の授業の中で、折り紙をご利用になりたい方は、ぜひこちらのフォームから申請ください。

・ARは2023年12月下旬まで使用できます。
・特設サイトからご自身で折り紙をダウンロードしていただくこともできます。
・対象年齢:小学校中学年以上向け
・用意するもの:
折り紙/スマートフォン、カメラ付きタブレットなど(完成したオリガミをカメラで読み込み、ARで作動させるために使用します)
スマートフォンの推奨環境:iOSまたはAndroid推奨
iOSの場合:iPhone 11以上、Safari (iOS11+)またはその他のアプリ(iOS13+)推奨
Androidの場合:Chrome、Firefox、Samsung Internet、Microsoft Edge 推奨


※4 2023年7月27日 上野動物園・WWFジャパン共催で上野動物園にて実施。10組22名の小学校高学年の児童とその保護者に熱帯林の野生動物オリガミを体験いただき、上野動物園のトラの飼育係およびWWFジャパンスタッフよりトラや熱帯林の現状についてのお話をしました。また、同年7月28日~8月4日にかけて、同じく上野動物園にポップアップブースを設けて、来園者に折り紙とARを自由に体験していただきました。

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