とってもユルい、インドサイの縄張り


web担当の三間です。会報誌『WWF』のレッドリストの動物コーナーより、今回原稿を書いているインドサイの小話を一つ。

インドサイは一応それぞれの「なわばり」を持っています。
が、それはあまり厳密なものではなく、複数の個体の行動圏が重なっている場合もあり、やたらにケンカをするわけでもないそうです。

その理由の一つに考えられるのが、このサイが生息している特異な自然環境です。
インドサイは水辺の草地や湿地に生息していますが、これらは雨の多い季節には水没してしまう場所も多いため、地形が一定しません。ですから、「ここはオレの土地だ!!」と言い張るのが難しいわけ。

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また、生きる上で水が欠かせないインドサイは、沼地のような水場は特定の個体の縄張りにせず、みんなで共有して暮らしているそうです。

ヒマラヤ山麓の大自然を象徴するインドサイ。密猟や外来生物に負けずに、がんばって生きてほしいものです!

 

 

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自然保護室(コンサベーションコミュニケーション グループ長)
三間 淳吉

学士(芸術学)。事務局でのボランティアを経て、1997年から広報スタッフとして活動に参加。国内外の環境問題と、保全活動の動向・変遷を追いつつ、各種出版物、ウェブサイト、SNSなどの編集や制作、運用管理を担当。これまで100種以上の世界の絶滅危惧種について記事を執筆。「人と自然のかかわり方」の探求は、ライフワークの一つ。

虫や鳥、魚たちの姿を追って45年。生きものの魅力に触れたことがきっかけで、気が付けばこの30年は、環境問題を追いかけていました。自然を壊すのは人。守ろうとするのも人。生きものたちの生きざまに学びながら、謙虚な気持ちで自然を未来に引き継いでいきたいと願っています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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