野生ヒツジの王様、アルガリの話(動画あり)
2017/12/23
※2023年6月26日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。
ヒツジ、という言葉に、どんな印象を持たれるでしょうか?
飼ったことのある人は、その結構な臭いや、ビックリするほどの大きな声などを最初に思い浮かべるかもしれませんが、一般には「子羊のような...」という形容もあるとおり、か弱い動物、というイメージが、強いのではないかと思います。
ですが、頭から尾までが2m、肩の高さ1.2m、体重180キロのヒツジとなると、とてもカワイイなどとは言っておられません。
そんなヒツジの調査を行なった、という情報が先日ロシアから届きました。
ヒツジの名はアルガリ。アルタイ山脈を中心に、中央アジアに広く分布する世界最大のヒツジで、もちろん野生の種です。
ロシア国内に拠点を置くWWFアルタイ・サヤン・プログラムでは、このアルガリの調査を長年にわたり手掛けてきました。
ロシアとモンゴル両国の国際協力と、専門家の協力の下、厳しいフィールドでの調査の中で、個体数の推定手法をはじめ、さまざまな調査方法を確立し、精度の高い生息データを測定。
もちろん、数を推定するだけではなく、移動範囲やそのルート、死亡した個体の死因や、密猟の現状なども調べ、保全に役立てます。
今年の結果は、大雪の影響で一部生息地に変化が見られるものの、ロシア側で確認された1,236頭の個体をはじめ深刻な減少は認められず、数は2013年以降安定しているとのこと。
それでも、角や肉を狙った密猟は今も続いており、取り締まり活動は今後も継続がもとめられています。
世界屈指の広がる大山脈で動物を調べ、守るのは大変な仕事ですが、志を同じくする人たちが国境を越えて協力できるのは、すばらしいことです。
また新しいニュースが届くのを楽しみに待ちたいと思います。(広報担当 三間)
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