姿を消した「元祖」ペンギン
2014/04/25
どういう理由でそうなったのか、調べがつかなかったのですが、本日4月25日は「ペンギンの日」なのだそうです。
動物園で、またさまざまなキャラクターとして、ペンギンは世界中で大変な人気者です。しかし、野生の世界では目下、全18種のうち11種が絶滅危機種とされています。
実はもう1種、絶滅してしまったペンギンがいます。正確に言えば、ペンギンによく似た別の海鳥で、名はオオウミガラス。南半球にすむペンギン類(ペンギン目ペンギン科)に対し、この鳥はウミガラス類(チドリ目ウミスズメ科)に属し、北半球の大西洋北部に生息していました。
このオオウミガラスの学名(ラテン語名)が、Pinguinus impennis。「ペンギン」の語源となった名を冠しています。
19世紀半ばに乱獲によって絶滅し、今では標本と絵でしか見ることができませんが、その姿はペンギンそのもの。通常、ウミガラス類は普通に飛べるのですが、オオウミガラスだけは飛ぶことができず、そうした点までペンギンによく似ていました。
ちなみに、Pinguinusとは、ラテン語で「脂肪が多い」というような意味だそうで、寒い海に暮らし、厳しい冬を乗り切って生きてきたためでしょうか、オオウミガラスは身体に厚く脂肪を蓄えた鳥で、その脂もまた、乱獲の対象として狙われる理由の一つとなっていたようです。
幸いにして今のところ、ペンギン類の中に絶滅してしまった鳥はいませんが、営巣できる自然環境が失われたり、漁網にひっかかって命を落としたり、気候変動による影響などによって、危機に瀕しているものが少なくありません。
「ペンギンの日」の今日、あらためてペンギンたちが生きられる海の環境を、未来に向けて守ってゆかねばと思います。(広報室:三間)