猫の日に寄せて 世界一「野生のネコ」がくらす島の森で
2018/02/22
今日は「にゃんにゃんにゃん」と2が続く、猫の日。
ネコは身近でかわいい人気の動物ですが、自然界にもネコ科の野生動物はたくさんいます。
ライオンやチーターなどその数、実に38種!
中でも、東南アジアのスマトラ島とボルネオ島には、世界で最も多くの種類の野生のネコがおり、2島を合わせて7種が生息しています。
バクやシカまで獲物とするトラから、主に樹上で暮らし鳥などを襲うウンピョウ、水辺でカニやカエルも食べるマレーヤマネコ、ネズミを主食とするベンガルヤマネコまで、大きさや生態はさまざま。
その獲物の多様さと豊富さは、すみかの熱帯林が、命にあふれたすばらしい自然であることの証なのです。
しかしこの島々では今、世界で最も早いスピードで森が切り拓かれています。
原因は、紙の生産に適したアカシアやユーカリばかりの植林地と、「パーム油」を採るためのアブラヤシ農園に、熱帯林が急速かつ無秩序に造り変えられていること。
とはいえ、紙もパーム油も、人の暮らしに深くかかわる産品ですから、ただ開発に反対するだけでは問題は解決できません。
必要なのは、森を守りながらそれを生産する「持続可能」な手段を実現してゆくことです。
スマトラで作られたコピー用紙は日本にも輸入されていますし、パーム油も「植物油」「ショートニング」といった原料表記で、多くの食品に使用され、スーパーやコンビニなどでも売られています。
声をあげ、日本でもこれらの産品を持続可能なものに変えていくことは、今の私たちにできる大切な取り組みなのです。
日常の身近な品々と、海の向こうの野生ネコたちの森のつながりに、ぜひご関心を持っていただき、活動を応援していただければと思います。(自然保護室 伊藤)