熱波、大洪水... 異常気象がもたらす「警告」


千人以上にのぼる死者を出しているというインドの熱波。メキシコでの竜巻による被害。そして、アメリカ南部で広がっている大雨による洪水。

日本でも、5月からもう真夏日が始まり、暑い日が続いていますね。

最近こうした気象をめぐる、気になるニュースがさかんに報道されています。

さらに昨年発生したエルニーニョ現象が、4月に勢いを盛り返し、秋にかけて続く可能性が高いと気象庁が発表しました。

エルニーニョは、太平洋の赤道付近の海水温が高くなる自然現象で、これが生じると、世界各地で大雨や酷暑、干ばつ、冷夏などの異常気象が発生しやすくなります。

地球温暖化ではないの!?と、気にされる方もいらっしゃるかもしれませんが、今のところ、科学的にエルニーニョ現象の発生と温暖化の間に、直接的な関係は認められていません。

ですが、気になることも指摘されています。温暖化は、多くの地域において、エルニーニョがもたらす干ばつや豪雨を「増幅」させるおそれがある、ということです。

そうした異常気象に、私たちも備えなければなりません。

たとえば、温暖化がこのまま進行すると、日本では真夏日が、1年に100日を超える可能性が指摘されています。

5月から急に暑くなった日本。春先、まだ体が慣れていない時期に、急に暑くなると、体温調節がきかず、熱中症にかかりやすくなります。

つまり、普段の暮らしの中で、春から秋にかけて4カ月近くも、熱中症に注意し続けなくてはならなくなる、ということです。

この所テレビなどで盛んに熱中症対策が訴えられていますが、まさにこれは温暖化への「適応」の準備そのもの。同時に、「温暖化が進めば、こういう未来がやってきますよ」という警告でもあります。

そうした警告が発せられている地球の未来をどうするのか。

その大事な選択が託される国連の温暖化防止会議(COP21)が、今年の年末、パリで開催されます。

異常気象による農作物への影響も心配されます。まさに暮らしにかかわる問題です。

今日からは、そのステップとなる国際会議が、ドイツのボンでスタート。

現地の様子をまたご報告いたしますので、ぜひ、皆さんも関心を持って、注目していただければと思います。(自然保護室 小西雅子)

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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環境保全団体です。

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