どう取り組む?自然エネルギーの拡大と環境配慮の「両立」
2015/10/03
原発の問題とは裏腹にほとんど報道されていませんが、今国内では再生可能な自然エネルギーの普及が進んでいます。
その容量は設備認定で8000万kW(原発80基分)以上!(*)
温暖化の解決と安全なエネルギーの自給を目指す上で、これは希望のある話です。
しかし同時に難しさや心配もあります。
たとえば「累積的影響」という言葉、聞いたことはあるでしょうか?
これは、特に風力発電開発が、特定の場所で集中して行なわれた場合に生じるおそれのある環境への影響です。
現在、一定規模以上の風力発電開発事業は、必ず環境影響評価(アセスメント)を受けることが義務付けられており、周囲の自然への悪影響を回避するための対策を立てるよう求められます。
ですが、もし事業一つひとつでは問題が無いとしても、いくつもの事業が隣り合わせで同時に行なわれたら? たくさんの風車が同じ地域に立ち並んだ場合、個々の評価ではわからない環境への影響が生じるかもしれません。
これが累積的影響の一例です。
地球の未来のための自然エネルギー開発が、自然を大きく損なってしまうような事態は避けねばなりません。
しかし、残念ながら、現在のアセスメント制度では「事業ごと」の影響評価が通例なのです。
そうした中、徳島県鳴門市で私たちが進める、地域主体の再エネ・プロジェクトでは、まず開発の適地を明確にすることで、「適正な規模」の開発を促す「ゾーニングマッピング」を行なっています。
法律が追い付いていない再エネ開発の現状改善にも一役買ってくれることを期待しながら、真に環境に調和した再エネの導入に向け、今後もプロジェクトを推進していきたいと思います! (温暖化・エネルギー担当 市川)
- *経済産業省 固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト(H27年7月時点 設備認定量)