鳴門市で再生可能エネルギープロジェクト始動!


2014年6月17日、徳島県鳴門市を舞台に、再生可能な自然エネルギーの開発・普及に取り組む地域モデルの確立をめざした、新たなプロジェクトがスタートしました。これは、地域社会が主体となって取り組む、地球温暖化防止の試みであると同時に、燃料費の高騰などに起因する経済的な負担を軽減し、エネルギーの自給率を向上させることを目指した、未来型の地域を活性化させる施策の一つでもあります。

地域発の再生可能エネルギー社会のモデルをめざす

世界各地の異常気象をはじめ、地球温暖化に起因すると考えられる深刻な被害を抑えるため、国際社会は今、世界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ「2度未満」に抑える必要性を合意し、温室効果ガスの排出削減を目指した国際交渉を続けています。

しかし、さまざまな利害が交錯する国際交渉では、対立も慢性化しており、実質的な温暖化防止の取り組みを、国際レベル、各国政府レベルでの排出削減だけに頼るわけにはいきません。

そうした中、人が生活するその現場である「地域」においても、さまざまなアイデアや試みに支えられた、地域主体の取り組みの重要性が高まっています。

2014年6月17日、WWFジャパンは、徳島県鳴門市を舞台に、鳴門市、および一般社団徳島地域エネルギー、NPO法人環境首都とくしま創造センターと共同で、再生可能な自然エネルギー普及の「地域モデル」を確立する、新たなプロジェクトを開始しました。

このプロジェクトは、地域のさまざまな主体が、太陽光や風力などの再生可能な自然エネルギーの導入に携わり、温暖化防止をめざした取り組みを行なうと共に、エネルギーの生産と自給を促すことを目的としたものです。

とりわけ、温暖化の主因とされる石油や石炭などの化石燃料の使用は、高騰を続ける燃料費という形で、地域経済の負担にもなっています。

そうした中で、再生可能な自然エネルギーの開発を進め、エネルギー自給率を高めてゆくことは、地域の将来的な負担の削減に繋がるのみならず、地域での産業振興や雇用の創出などにも新しい可能性をもたらすことが期待されます。

鳴門市での調印式の様子

「地域主体」という取り組みの意味

実際、いま全国各地では、こうした背景を受けて、再生可能エネルギーの普及が急速に進められようとしています。

しかし、その一方で、地域での再生可能エネルギー開発が、その地域外の資本によって行なわれ、発電による利益が地域に十分に還元されなかったり、開発によって自然環境への悪影響が懸念されるケースも見受けられます。

そこで、このプロジェクトでは、あくまで主体をその地域とすることで、暮らしと一体になったエネルギー開発を行なう姿勢を基本とし、実際の再生可能エネルギーの導入にあたっては、さまざまな視点からみて最適な再生可能なエネルギーは何なのか、また地域内のどこに開発の可能性があるのかを確認するため、地域の専門家・有識者などを中心に協議・調査を重ねて適地を明確化する「ゾーニングマップ」作りを行なうことにしています。

何より、土地の事情をよく知る地域が主体となり、この「ゾーニングマップ」作りに協働で取り組むことで、開発への関係者の輪が地域内でより多く広がり、地域の環境にも配慮がなされることが期待されます。

WWFジャパンはこれからの未来に向けて、地域の暮らしや経済に便益をもたらすような新しいエネルギー社会のあり方をめざして、地元の方々と協力しながらこのプロジェクトを推進していきます。

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