ラムサール会議(COP11)いよいよ最終日


ルーマニアのブカレストより、自然保護室の前川です。
ここで開かれているラムサール条約会議(COP11)では、本会議以外にも一般の人も参加できるブース展示やシンポジウムがあります。

今回、WWFジャパンもブースを設け、5つの沿岸域での活動について、パネル展示を行ないました。黄海エコリージョンの韓国ムアン郡、南西エコリージョンの白保と久米島、そして東日本大震災被災地の南三陸町志津川湾と相馬松川浦です。

それぞれ背景や脅威、課題は大きく異なりますが、目指すゴールは共通です。それは、地域の利害関係者の参画のもと、地域の特色を活かしながら持続可能な社会を構築することです。

この展示を通じて、世界のWWFのスタッフを含め、たくさんの方にプロジェクトを紹介することができました。

シンポジウムについては、サイドイベントと呼ばれる小規模のものが、いくつも開かれました。

会議の合間の昼食時間と夕食時間に行なわれるので、簡単な食事と飲み物がつきます。どのイベントを聞くかは自由ですが、食事の内容で人数が変わることもあるのだとか?

この日はWWFもパートナー団体として参加している東アジアオーストラリア地域フライウェイパートナーシップのサイドイベントに参加しました。

この5月から新しく事務局長となったスパイク氏による概要の紹介に続きいくつかのトピックが紹介されましたが、中でも興味深かったのはIUCNが発表した干潟の現状に関するレポートです。

ここでは、東アジア・オーストラリア地域に生息するシギやチドリなどの渡り鳥の絶滅のリスクが高いこと、その原因が、重要渡来地である黄海における生息地の損失にあると指摘されていました。

また、もっとも絶滅の危険性が高いとされるヘラシギは、生息地の損失だけでなく、越冬地における狩猟活動が個体数減少の要因であることから、ミャンマーでは、ハンターへの研修だけでなく、漁業への職業転換支援も行なわれている、といった報告ありました。

5日から始まったラムサール会議もいよいよ最終日です。締約国のさまざまな思惑がからむ決議も今日ですべてが決着します。

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サイドイベントの様子

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WWFジャパンの展示ブース

 

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自然保護室(海洋水産 グループ長)
前川 聡

修士(動物学・北海道大学)
渡り性水鳥の全国調査および国際保全プログラムのコーディネーター業務、WWFサンゴ礁保護研究センター(沖縄県石垣島)での住民参加型の環境調査および普及啓発業務、海洋保護区の設定および管理状況の評価業務等に従事後、2011年より東日本大震災復興支援プロジェクトと水産エコラベルの普及および取得支援に携わる。養殖業成長産業化推進協議会委員。

日本各地の漁師町を訪ねては、持続的な養殖や漁業の推進のために関係者の方々と話し合いをしています。道すがら、普段はなかなか見ることができない風景や鳥を見つけては、一人ほくそえんでいます。もちろん、新鮮な魚介とお酒も! 健康診断の数値が気になるAround Fifty

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