「損失と損害」とチョコレート
2013/11/19
ポーランド・ワルシャワでの国連の温暖化会議(COP19)が2週目を迎えた18日の朝。
会議場に着くと、板チョコを手渡されました。
ドイツの団体が販売しているもので、収益は、世界各国での植林活動にあてられているとのこと。
気候変動と闘うエネルギーを補給し、国際交渉を明るく変える「チェンジ・チョコレート(変化を起こすチョコレート)」だそうです。
今回の会議には、まさにこのチョコレートが必要とされるような、大きな課題「損失と損害」があります。
これまでの国際交渉は、気候変動を抑える「緩和」と、その被害を軽減する「適応」の2本柱でした。
しかし、それでも温暖化は進行し、被害の規模もさらに拡大すると予想されています。
そこで、気候変動の影響を大きく受けている途上国は、この「損失と損害」を「緩和」と「適応」に次ぐ第3の柱として確立し、そのための国際メカニズムの設立を強く求めてきました。
そして昨年のCOP18の場で、これについての独立した組織を今年のCOP19で立ち上げることが合意されたのです。
しかし、方法論をめぐって、先進国と途上国の意見は対立しています。
WWFは国際NGOのアクション・エイド、ケア・インターナショナルとともに、COP19の開催に合わせて報告書を作成し、記者会見やサイドイベントを行なうなど、早急な国際メカニズムの設立を訴えてきました。
「損失と損害」は、各国の温暖化対策や取り組みのための資金が十分でなく、影響を予防できなかったため、生じた課題です。
いまだに対策に後ろ向きな国々が、この問題に真剣に取り組み、COP19を成功に導いてくれるように。
議論を加速させ、変化を起こしてくれるように、「チェンジ・チョコレート」にも期待したいところです。(温暖化担当:小西)
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