インドのライオンが600頭まで増える


こんにちは。広報担当の大倉です。

私たちがいつもウォッチしている環境問題のニュースは「危機が増している」という深刻なものが、どうしても多くなりがちです。

でも、時には明るいニュースが届くこともあります。

最近では、絶滅が心配されるインドのライオンが増えた、というものがそうです。

アジア唯一のライオンの生息地。インドのギル国立公園。

3月6日のインド、グジャラート州政府の発表によると、2015年の調査で523頭だったインドライオンが、600頭に増えたそうです。

ライオンというと、アフリカのサバンナに立つ悠然とした姿が思い浮かびますが、インド北西部のライオンは、アフリカのそれよりもやや小型の亜種。

主にギル国立公園に生息し、乾燥した森で、シカを襲ってくらすライオンといった感じです。ちょっとイメージが違いますね。

アクシスジカ。ギル国立公園には、この他にもサンバーやニルガイといった大型の草食獣が生息します。

インドのライオンは農地開発などで生息地を狭められ、また、家畜 を襲う害獣として殺されてきました。

1974年には180頭にまで減ったというデータがあります。

しかし、40年以上続いたインド政府の保護活動が実り、つ いに600頭まで回復しました。

この成果について、グジャラート州政府は、家畜が襲われる問題があるにもかかわらず、「周辺住民がライオンの保護に理解を示し、州政府職員と協調したおかげで、効果的な活動ができたため」としています。

インドライオンのオス。このインドのライオンの保護には、WWFも1967年から数年にわたり、調査とライオンが家畜を襲う問題の解決に向けた支援を行ないました。

ですが、保護活動がこれで無事に終わったわけではありません。

今後も、ライオンが家畜を襲う問題の解決を目指し、駆除される個体を減らしながら、個体数を回復させる道をより確かなものにしていく課題があります。

ここまでの取り組みに関わってきた多くの人たちに経緯を表しつつ、これからのライオンの未来に注目したいと思います。

インドのライオンのメス。人とのあつれきを減少させてゆけるかが、保護活動の成否を握ります。

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C&M室 メディアグループ所属
大倉 寿之

メディアを通じた環境情報の発信を担当しています。ESDなど教育に関わる仕事も手がけています。

90年代の諫早干拓問題やオゾン層破壊の話題はけたたましくアラーム音が鳴り響く「警告の赤」。一方、今の温暖化の進行や自然資源の過剰消費は、いつみても「要注意の黄」がともっている状態なのかもしれません。これに慣れっこになってはいけない、そう思いながら、環境ニュースに日々感度の高いアンテナを張っています。

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