パリ協定が採択されてから初めての国連会議がスタート!
2016/05/18
ドイツのボンより、温暖化担当の小西です。
こちらで気候変動に関する国連の会合「パリ協定特別作業部会」が始まりました。
昨年末に「パリ協定」が成立して以来、初めて開催される準備会合です。
世界200カ国余りが、先進国と途上国の対立を乗り越えて合意したパリ協定。
「21世紀後半には温室効果ガスの排出量を実質ゼロ」にすることを目指し、参加と協力を約束した、この歴史的な合意を実現するには、どんなルールが必要なのか。
そのルールブックを作っていく作業の始まりです。
初日は、ちょっとドキドキ。
というのは、今まで画期的な国際合意ができた直後には、ほぼ必ず「譲歩しすぎた」と感じる国々が強く抵抗して、議事がストップすることがあるためです。
案の定、今回もG77と呼ばれる途上国グループが「ボン会合で話し合うべき項目(アジェンダ)を変えてほしい」と発言。
特にもめているのは、各国の出す「目標」の「登録簿」をいかに作るか。
この目標には、各国による温室効果ガスの削減目標だけではなく、温暖化の被害に対する「適応」に必要な、資金・技術支援の目標があります。
先進国が削減目標を主に考えている一方で、途上国は自国への資金支援や適応についての目標を強調したい。
つまりこれは、双方の意見の相違から生まれる国際的な政治の戦いなのです。
しかし、これ以外の議論は無事にスタートしています。
パリ協定で示された「世界が協力して温暖化対策に取り組もう!」というスピリットが、このボン会合でも発揮され、スムーズに議論が進んでほしいと強く願わずにはいられません。
今回のボン会合には、ヨーロッパやアフリカ、アジアなどから20人前後のWWFメンバーが参加してその進展を見守っています。ぜひ応援してくださいね!!