COP29が開幕します
2024/11/11
世界最大の湖、カスピ海のほとりに開かれたアゼルバイジャンの首都、バクーでは、前日から空をおおっていた雨雲が消え、さわやかな秋晴れになりました。明日、11月11日、国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)が開幕します。
この会議に先立って発表された気候変動の現状を示す報告書は、パリ協定がめざす1.5℃目標の実現が困難になりつつあることを示しています。
世界気象機関(WMO)は、2023年の大気中の二酸化炭素濃度が420ppmと、化石燃料の大量消費が始まった産業革命から約1.5倍になり、過去最高だったと発表しました。パリ協定が採択され、すべての国が気候変動に取り組むようになってからも化石燃料からの排出が増加し続け、気候変動が引き起こす森林火災などからの排出量も増加しているからです。
また、国連環境計画(UNEP)は、2023年の世界の温室効果ガスの排出量は571億tと過去最高を記録したと公表しました。そして、たとえ各国の2030年目標を達成できたとしても世界の平均気温は2.6〜2.8度上昇し、現在の対策のままでは3.1度まで上昇する可能性があると警告しています。それでも、1.5℃の目標の達成は技術的には可能であるという希望を示し、そのためには世界全体で早急で大規模な排出削減を行う必要があると訴えました。
猛暑は日常化し、気候災害が多発するなど、気候危機はいっそう深刻化しています。科学はその根拠を明らかにし、解決策を提示しています。COP29では、1.5度目標が危機に瀕している現実に向き合い、気候行動のいっそうの強化に向けた世界が力を合わせることが求められています。
WWFは1.5度目標の実現に向けて交渉への働きかけを行いながら、非国家アクターとしても積極的な活動を行い、COP29の成功に貢献していきます。日本からもぜひこの会議にご注目ください。