「アメリカは後退させない」
2016/11/17
アフリカのモロッコ、マラケシュより温暖化担当の小西です。
国連気候変動会議COP22は、閣僚級会合の2日目に入り、各国の環境大臣の演説が続けられています。
午後に登壇した日本の山本環境大臣も、「政治のリーダーシップが今以上に重要となることを実感している。日本は相応の責任を果たしていくことを約束する」とするスピーチを行ないました。
また今日は、アメリカの動きが大きく注目された日でもありました。
アメリカ政府はまず、メキシコとともに、世界の先陣を切って、2050年までの「長期低炭素開発戦略」を国連に提出しました。
パリ協定が各国に対し2020年までに策定を求めている、この長期的な温暖化防止計画。
それを、協定成立から1年足らずで提出したアメリカとメキシコの両国は、具体的な長期計画を持つ初めての国になったのです。
ケリー国務長官の記者会見にも、世界の関心が集まりました。
「昨年のパリで、世界が一つになり、決定した温暖化防止の政策を、アメリカは後退させない。
世界の経済市場はすでに低炭素化の方向へ大きく動いている。この力強い潮流が後戻りすることはない」
その力強い演説は、取材する記者たちの拍手によって何度も中断されました。
また、アメリカ国内365の企業や投資機関も、オバマ大統領とトランプ次期大統領に対し、パリ協定の参加を継続し、国内外で低炭素経済をいっそう加速させるよう求める声明を発表。
ギャップやナイキ、ホテル業のヒルトン、食品メーカーのケロッグやマースなど、日本でもなじみのある会社も名を連ねた365社は、脱炭素をめざす産業界の方針が不変であることを強調しました。
パリ協定の採択から発効まで、世界の気候変動政策を牽引してきたアメリカ。
そのリーダーシップが、多くの米産業界やメディアからも支持されてきたことがよくわかる1日でした。
COP22終了まであとわずか。各国の動きに注目です!
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COP22会場より、WWFジャパンのスタッフが現地の様子をお届けしています。