国境を越えてやってくる動物たち
2017/06/14
街中や駅で、時々「ここは日本?」と思うことがあります。英語に留まらず飛び交うさまざまな言葉。ここ数年、海外から観光で訪れる人たちが急増してきました。
私も恩恵を受けていますが、LCCの発展などのおかげで気軽に海外旅行ができるようになったのは嬉しいこと。
ですが、こうした国境を越える人の行き来の増加は、野生生物にとって少々困った事態になっています。
国際的な交通網の発達が、ペット販売などを目的とした野生動物植物の密輸にも利便性を与えてしまっているのです。
実際、行き交う人や物に紛れ込ませる密輸の手口は多様化し、摘発件数も増加。検査やセキュリティの目も十分に行き届いていません。
利用される飛行機や船などの輸送関連企業にとっても、これは頭の痛い問題。
そこで、この問題に取り組むため、税関やNGOなどとタッグを組み、対策強化に力を入れる企業が最近は増えてきました。
セキュリティ強化はもちろん、業界全体で連携を図るべく、取引ルートや密輸の手口について情報を共有。さらに通報する仕組みや、そのためのシステム開発などを、協力して進めているのです。
2015年には、政府や税関、陸・海・空の輸送業界と、私たちのようなNGO(民間団体)が共同して密輸を取り締まるパートナーシップも誕生しました。
これに参加しているWWFとトラフィックも、税関へのトレーニングや違法取引に関するデータや分析といった長年培ってきた知見を提供しています。
そんな中、今回パートナーシップでは、過去に収集したデータの分析結果などをまとめた初めての報告書を発表しました。
それぞれの参加主体が、それぞれの強みを活かして取り組むこの活動。
私たちも引き続きサポートしていきます!(トラフィック:西野)