日本のペット取引規制はザル?
2018/04/20
先日、New York Timesに「ペットショップのそのニシキヘビ、野生で捕獲されたかも?」と題された記事が掲載されました。米国やヨーロッパでペットとして売られている爬虫類や両生類の中に違法に野生で捕獲されたものたくさんがいるというドキッとする内容です。
実は、日本の市場も欧米と何ら変わりません。生息国で捕獲が禁止されているはずの動物が日本では合法的に販売されているのです。
どうしてこんなおかしなことが起こるのでしょう?
理由の一つは日本の国内規制の緩さです。違法に捕まえたものだろうが、密輸したものだろうが、一度国内に持ち込まれれば、洗浄(ロンダリング)されてしまいます。
日本には、ワシントン条約で取引が禁止されている動物の国内取引を禁止する法律はありますが、生息国で捕獲が禁止されている動物の取引を禁止するという法律がないからです。
もう一つは、ペットショップなど取扱事業者への規制の甘さです。事業者は「動物の愛護及び管理に関する法律」で管理されていますが、この法律に野生動物を保全するという機能はありません。
たとえ絶滅のおそれの高い野生生物を販売するにも特別な資格は必要ありませんし、売られている動物がどうやって店まで来たかというトレーサビリティの確保も義務付けられていません。
よって、売られている動物の捕獲の合法性や輸入経路が不明な状態で取引ができるのです。
日本のペット市場にも違法取引の犠牲になっている動物が少なからずいると考えながら、ペットショップやペットショー、アニマルカフェを見てください。きっと「かわいい!」「珍しい!」だけじゃないと感じていただけるはずです(トラフィック 若尾)。