日本の原風景とミゾゴイの森
2017/08/22
草刈です。6月の終わり、石川県輪島市に行ってきました。
きっかけは、「輪島の産廃処分場問題を考える会」より産業廃棄遺物処理場の建設で、地域の自然が危機にさらされているため、是非現地を見て欲しいと、要望をいただいたことでした。
くわしくお話をうかがうと、国際的な希少鳥類であるミゾゴイを始め、さまざまな野生生物が生息しているとのこと。
初めての訪問でしたが、肌で感じた海にも近い山林や棚田が織り交ざる能登の自然は、まさに豊かさそのものでした。
地元の自然が育んできた、海女(あま)漁、揚げ浜式製塩などの伝統技術も伝わっており、過去にはNHKの朝ドラの"まれ"の舞台にもなったそうです。
問題の廃棄物処理場「門前クリーンパーク」の建設予定地は、「能登富士」とも呼ばれる高爪山の山腹でした。
これを削って建設するという事は、現地で「ふるさとの富士」と呼ばれるこの山の景観を、大きく損なうことにつながります。
富士山に例えるなら、静岡県から山頂に登ってみると、山梨県側に、巨大な産廃施設が建っている、という感じでしょうか。そんな光景、誰しも見たくないですよね。
一方で、この計画が過疎化・高齢化の進む中、地域が活性化を求め浮上したものであることも分かり、日本の地方の自然を守っていく難しさも、あらためて感じるところとなりました。
その後、現地の方々と相談しつつ、日本自然保護協会や日本野鳥の会とも情報を共有。8月22日に、3団体で「共同意見書」を石川県に提出することにしました。
事業が進むかどうかは、県が認可するかどうかにかかっています。日本の原風景を未来にのこしていくためにも、引き続き石川県に対して働きかけて行きたいと思います。