トラサミット開催国の決意が大きな一歩に!
2010/12/02
※2023年6月26日をもって、WWFロシア(Vsemirnyi Fond Prirody)はWWFネットワークから離脱しました。
森林広報の古澤です。先週は、ロシアで開催されていたトラサミット関連のお知らせをしましたが、その続報です。
ロシア政府が「チョウセンゴヨウ」という木の伐採禁止を発表しました!
チョウセンゴヨウはベニマツ(紅松)とも言われる、マツの木の一種です。
これがどうして「トラサミット」の続報なのかと言うと、チョウセンゴヨウは、アムール(シベリア)トラの生息する、極東ロシアの森林生態系を支える貴重な木だからです。
チョウセンゴヨウの実は、いわゆる「松の実」で、昔から中国や日本の料理でもおなじみの食材です。
そのため地元では、採る人の収入源となってきたほか、イノシシやシカなどの草食動物にとっても、栄養価の高い貴重な食物でした。
ところがこの木は、木材としても需要が高く、日本など海外に輸出するためロシアでは伐採が進み、森の自然への悪影響が心配されてきました。
チョウセンゴヨウがなくなってしまったら、その実を採集してきた人間はもちろん、森の草食動物や、それを捕食するトラやヒョウなどの肉食動物も影響を受けるからです。
というわけで、今回のロシアでのチョウセンゴヨウの伐採禁止令は、極東ロシアの森林を守る上で、期待のできる大きな一歩になりそうです!
トラが生きられるような豊かな森、これからも守っていきたいと思います。