菅総理、G8で自然エネルギー100%のビジョンを掲げてください


温暖化担当の山岸です。
5月26・27日に、フランスの町ドービルでG8サミット(先進8カ国首脳会議)が開催されます。

一カ月前くらいから、菅総理は、この場で今後のエネルギー政策に関する新しい構想を発表する、と言っておられました。

さらに、5月10日の記者会見では、既存の「エネルギー基本計画」はいったん「白紙に戻して」検討をし、今後はもっと自然エネルギーや省エネルギーに重きを置いていく、という発言があったので、私たちもちょっと期待しています。

でも、その記者会見の時も少し傾向がでていたのですが、報道されているその「新しい構想」の原案と見られる中身を読むと、まだまだ化石燃料や原子力に依存したままの政策を続けるのではないか、と不安にさせられます。

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まず、どうやら今後のエネルギー政策を「化石燃料」「原子力」「省エネ」「再生可能な自然エネルギー」の「4本柱」で進めていくらしい。しかし、温暖化を引き起こす化石燃料は言うに及ばず、引き続き原子力を柱に、というのは、選択肢としてはありえません。

それらをすぐになくせるわけじゃない、という現実は分かります。
でも、今後のエネルギー政策の「柱」では最早ないはずです。

「構想」では、自然エネルギーの可能性についても、「サンライズ計画」など、太陽光に重きを置いているのは分かるのですが、今一つ、野心的なビジョンではないようです。

WWFジャパンは、あくまで「省エネ」「再生可能な自然エネルギー」の2本柱で進めていくべきだ、と考えています。今のような時期だからこそ、日本として「将来、自然エネルギー100%を目指す」というビジョンを、G8で胸張って掲げて欲しいところです。

そんな思いを共有する気候変動・NGO合同で、要請文を首相官邸に送りました。
26日からのG8での菅総理の発言、注目したいと思います。

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

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環境保全団体です。

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