四川大地震の被災地からのレポートに思う
2011/05/30
Web担当の三間です。5月もそろそろ終わり。まずやってきた台風に続いて、関東にも早めの梅雨がやってきそうです。
この5月で思い出すことがあります。
2008年の5月12日、中国四川省を襲った大地震です。内陸の地震でしたが、被害は甚大で、今でも復興活動が続いているそうです。
WWFにとっても、地震は打撃でした。四川は何といっても野生のパンダの生息地。世界的にも貴重な自然が残る場所で、活動の重要なフィールドであったからです。事実、震災は多くの保護の拠点を破壊し、活動は存続の危機にさらされました。
その中で、WWF中国のスタッフや保護区の関係者たちは、自らも被災しながら、家や仕事を失った保護区周辺の人たちの救済活動に奔走。日本をはじめ各国のWWFもこれを応援しました。
これは一見、WWF本来の活動である「自然保護」とは、ちょっと違うのではないか?と思われるかもしれません。ですが、そうではないのです。
ここでパンダの保護活動を推進し、支えていたのは、被災した現地の住民たちの理解と参加でした。こうした人たちの協力があって、はじめて、密猟や貴重な森の伐採、開発行為を抑えることができたからです。
そんな現場からのレポートを、四川大地震の1年後、私たちはこのサイトで紹介しました。あらためて読んでみると、四川の人たちがいかに自然保護と、人の暮らしを取り戻す取り組みを両立させる努力をし、復興という課題に挑戦してきたか、その一端を知ることができます。
WWF中国が展開したこうした活動には、日本国内で皆さまからWWFジャパンにお寄せいただいた募金も支援として送られました。困難に立ち向かう人の意思と、それを支える人の気持ちが一つになったとき、新しい未来が拓けることを信じ、私たちもこれからの活動を続けたいと思います。
中国・四川省より 2009年8月の震災復興の現地レポート
【5】 山と森を守る人々
【4】 カルフールに胡椒を売る
【3】 村に水が戻った
【2】 パンダ生息地の自然の回復
【1】 四川地震後の巡回記