とうとう再生可能エネルギー特別措置法が成立しました!


温暖化担当の小西です。
国会で審議していた、再生可能エネルギー特別措置法が成立し、「固定価格買取制度」の導入が、今日決まりました!

この制度は、太陽光発電や風力発電などで作った電力を、一般よりも高い値段で一定期間(10年間とか)電力会社が買い取ることを約束するもので、自然エネルギーを推進する力が最もあるといわれている政策。

日本の再生エネ法案の場合、電力会社が買い取った分は、電力料金に上乗せされて、広く薄く電力ユーザーが負担することになりますが、大きな負担とはならないし(ドイツの例では一家庭一ヶ月にコーヒー一杯分くらい)これで、温暖化対策に自分も参加している、って感覚、素敵ではありませんか!

何より、自然エネルギーを導入しようとする人(家庭や事業者)は、初期投資をしっかり回収でき、日本全体で自然エネルギー事業に弾みがつく! 

もちろん温暖化対策としても、すごく重要です。今すすめるべき温暖化対策の要は、省エネを進めることと、エネルギーを自然エネルギーに変えていくことの二つなのですから。私たちも3年以上、この制度の導入を働きかけ続けてきた甲斐がありました!

省エネで暑さをしのぎ、自然エネルギー拡大の端緒にとりついた、その二つが進められた2011年の夏。
今まで日本では、原発に頼りっぱなしで自然エネルギーにとっても後ろ向きだったけれど、やっとこれでスタート地点に立てました。

もちろん、制度の運用は、今後もしっかり見ていかなければなりません。たとえば、いくらで自然エネルギーを買い取るかを決めるのはとても大事なプロセス。また電力の買取を電力会社が拒否できる権利も残してあるので、正当な理由なくこうした権利を行使しないよう見ていくことも大切です。

が!でもとりあえずはスタート地点に立つことのできたこの法案成立を、今日は乾杯したいです~~!

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専門ディレクター(環境・エネルギー)
小西 雅子

博士(公共政策学・法政大)。米ハーバード大修士課程修了。気象予報士。昭和女子大学特命教授、京都大学院特任教授兼務。
中部日本放送アナウンサーなどを経て、2005 年に国際 NGO の WWF ジャパンへ。専門は国連における気候変動国際交渉及び国内外の環境・エネルギー政策。2002 年国際気象フェスティバル「気象キャスターグランプリ」受賞。環境省中央環境審議会委員なども務めている。著書『地球温暖化を解決したい―エネルギーをどう選ぶ?』(岩波書店 2021)など多数。

世界197か国が温暖化対策を実施する!と決意して2015年に国連で合意された「パリ協定」の成立には感動しました!今や温暖化対策の担い手は各国政府だけではなく、企業や自治体・投資家・それに市民です。「変わる世の中」を応援することが好きな小西です♪

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WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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