新政権誕生。エネルギー基本計画の議論は...?


温暖化担当の山岸です。
総理大臣が菅さんから野田さんに代わり、新しい内閣が発足しました。
これと並行して、私たちが注目している「エネルギー基本計画」に関する議論が、そろそろ本格的に始まりそうだという報道がちらほらと出ています。

エネルギー基本計画に関連する議論は、これまで、内閣官房国家戦略室が事務局をしている「エネルギー・環境会議」という場所で行なわれてきました。
今後はこれに、経済産業省の下に設置される審議会での議論が加わり、いよいよ具体化する予定です。

そこで1つの鍵となってくるのは、当然、新しい経済産業大臣・鉢呂さんの意向です。
これまでの記者会見や報道を見ると、原発については、

  • 新しい原発は作らない
  • 寿命が来た原発は廃炉にし、将来的には「ゼロ」にする
  • エネルギー基本計画に関する議論をする審議会には、原子力に批判的な人も入れるべき

といった姿勢を既に打ち出しています。
でも、自然エネルギーや省エネルギーの促進については、まだあまり具体的な言及がありません。

ただ、鉢呂さんは、風力発電のポテンシャルが高い北海道出身ですし、自然エネルギー促進議員連盟にも参加しています。

また、8月26日に成立した電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(再生可能エネルギーの固定価格買取制度に関する法律)にも6月から賛同を表明していたので、ちょっと期待が持てそうです。

WWFも参加している、エネルギー政策について活動をしているNGOの集まり「eシフト」では、自然エネルギーを飛躍的に普及させるような、新政策への希望と期待を託して、6日、議員会館の鉢呂氏のお部屋に、花束と要望書を持って行きました。

残念ながらご本人はお会いできませんでしたが、応対して下さった秘書の方は、花束と要望書をきちんと受け取り、真剣に考えながらやって行きたいと応じて下さいました。
今後の経済産業省の動向に注目していきたいと思います。

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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