排出削減しながら資金を確保!一石二鳥の温暖化対策とは?
2011/12/08
COP17が開かれている南アフリカのダーバンより、温暖化担当の小西です。
ダーバンは、南アフリカ第3の都市。その国際空港は世界の都市と結ばれ、多くの飛行機が離発着をくり返しています。
また、ダーバン南部には、アフリカ最大、世界でも9番目の大きさを誇る港があり、ここから、豊富な地下資源が、海外に向けて輸出されています。
また、日本の自動車をはじめとする工業製品が輸入されているのも、この港。資源価格の高騰を背景に、急速に経済成長を遂げる南アフリカという国を、まるで象徴しているかのような場所です。
こうした国際航空や国際海運も、実は地球温暖化を加速させる原因の一つ。国際海運から排出される温室効果ガスだけでも、世界第5位の排出国であるドイツの排出量に匹敵し、世界全体の排出量の3%に達します。
世界の排出削減の取り組みは、国単位で行なわれているため、国境を超えて移動する、飛行機や船舶からの排出を規制するルールはありません。
かねてからこの分野の排出削減は大きな課題でしたが、現在は途上国が温暖化の影響に適応しながら、排出削減を行なうために必要な「資金源」としても注目されるようになりました。
その方策案が、国際炭素税の課税です。
WWFでは、「もし二酸化炭素1トンに対して25ドル課税すれば、2020年までに毎年250億ドルの資金が確保でき、途上国には税収を返還してもなお100億ドルをグリーン気候基金に入れることができる」と試算しています。
COP17は終盤に入り、閣僚級会合が始まりました。温暖化を防ぐ新しい手段として登場した「国際炭素税」の議論が、ここダーバンで前進することが期待されています。