ロンサムジョージを悼んで


ガラパゴスのロンサムジョージが逝ってしまった。

知られている通り、ロンサムジョージは南米エクアドルのガラパゴス諸島に生息するガラパゴスゾウガメの1頭である。

なぜ、彼が有名なのか。その理由は、ピンタ島に生息していたゾウガメの亜種ピンタゾウガメの、世界で最後の1頭だったからだ。

長い間、人の手で保護され、現地の保護施設内で飼育されてきた最後のピンタゾウガメは、ロンサムジョージ(孤独なジョージ)と愛称をつけられ、100年以上を生きた。

そんな彼に、私は会ったことがある。2006年3月11日だった。
同じWWFジャパンのスタッフである小森さんがガラパゴス諸島に出向中、家族旅行を決意し、夢のロンサムジョージに会うことができた。

彼は、人々のガラパゴスに対する思いを100年にわたり見つめてきた。

囲いから旅立ち、自由になった一人ぼっちのジョージは、今や世界を代表する自然遺産となった島々の果てで、美しいパートナーを見つけ、長年の孤独から解き放たれていることだろう!

また時には、ビーグル号で島を立ち寄ったチャールズ・ダーウィンと進化の不思議をひも解いているかもしれない。

死ぬまでに一度、ガラパゴスに行きたいと思って決意して行った、そして、彼に会った、ありがとうロンサムジョージ、そして、さようなら!(草刈)

 

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ありし日のロンサムジョージ

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たくさんの島々が浮かぶガラパゴス諸島には、島ごとに少しずつ異なった甲羅の形や修正を持つゾウガメの「亜種」が生息している。いくつかの島ではすでに、この「亜種」たちが乱獲と生態系の破壊によって絶滅してしまった。今回、ロンサムジョージの死によって、ピンタゾウガメもこの絶滅亜種の仲間入りをしたことになる。

 

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自然保護室 国内グループ所属
草刈 秀紀

日本の自然保護にかかわる法制度の改善をめざす取り組みを行なっています。

子どもの頃から動物が好きで、農業者でもないのに農業高校の畜産科に行き、上京して大学時代に多くの自然団体の会員になりました。野生のエルザのゲームワーデンにあこがれ、32年前に職員になりました。最近は、永田町を徘徊しています。

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