【動画あり】156キロ!大きいけれど小さな赤ちゃんです!
2018/01/16
こんにちは!WWFインドネシアでゾウの専門医を務めるワンダです。
今日は、とても嬉しいニュースをご紹介します。
スマトラ島のテッソ・ニロ国立公園で、野生ゾウと住民の衝突回避に取り組むゾウ・パトロール隊のゾウのリアが、先日赤ちゃんを産みました!
体重なんと156キロ!
当初の予定月は1月。定期的に超音波検診を実施してきましたが、出産の兆候がないまま、その日は突然やってきました。
ある朝、いつものようにゾウ使いが森へリアを迎えに行くと、すでに赤ちゃんが産まれていたのです。
話を聞いた私は、大急ぎで現場に駆けつけ、へその緒の消毒や栄養剤の投与など、産後の集中的なケアを施しました。
幸い母子ともに健康で、赤ちゃんはハルモニ・リンボと名付けられました。
ハルモニはハーモニー、リンボはジャングル、という意味です。
これからの成長がとっても楽しみ!なのですが、一方で、ゾウ・パトロール隊が頑張っている、現場のテッソ・ニロ国立公園は今、深刻な危機にさらされています。
公園内の3/4の土地で、外部からの侵入者が、アブラヤシ農園などを違法に造成しているのです。
パーム油の採れるアブラヤシの生産は、インドネシアやマレーシアの各地で、同様に熱帯林を激減させる原因となっています。
このパーム油、日本のスーパーマーケットで売られている食品などの原材料にも、「植物油」といった名称で使われていると聞きました。
皆さんの暮らしにもかかわりのあるスマトラの森。
その未来を守る取り組みに、日本からもたくさんのご支援をいただいていることを、私はいつも心強く思っています。
赤ちゃんゾウの成長とともに、これからも関心を持って見守っていただけたら嬉しいです。
(聞き取り、編成:自然保護室 伊藤)
地球から、森がなくなってしまう前に。
森のない世界では、野生動物も人も、暮らしていくことはできません。私たちと一緒に、できることを、今日からはじめてみませんか?