西アフリカでライオンが絶滅の危機に
2014/01/12
以前から減少が心配されていたのですが、先日、西アフリカに生息するライオンの絶滅の危機が、さらに増しているという発表がありました。
西アフリカとイギリス、カナダ、アメリカなどの科学者による調査チームが、6年にわたる調査の結果をまとめたものです。
調査が行なわれたのは、過去20年間にライオンが生息していたとみられる、西アフリカの11の国。しかしその結果は、ナイジェリア、セネガル、ベナン、ニジェール、ブルキナファソの5か国に、成獣が250頭生き残っているのみ、という衝撃的な内容でした。
IUCN(国際自然保護連合)が2004年頃に推定した西アフリカのライオンの個体数は、およそ1,000頭でしたから、その減少の急激さがうかがえます。
原因と考えられるのは、農地や放牧地の拡大による生息環境の悪化と、食物となる草食動物の減少。さらに、家畜の害獣としての駆除の影響など。
また、各国各地にある少なからぬ自然保護区が、資金不足などにより、スタッフもいなければパトロールも行なわれていない、深刻な現状に置かれていることも明らかにされました。
こうした「名ばかり保護区」では、ライオンのみならず、他の大型の哺乳動物も減少し、姿を消しているといいます。
今、WWFジャパンでは、ナイジェリアの隣国カメルーンで、ゴリラやマルミミゾウなどが生息しているロベケ国立公園の保全活動を支援していますが、こうした場所でも、保護のための取り組みが途切れたら、どのような事が起きるのか。考えずにはいられません。
今回、西アフリカでライオンの調査に当たった科学者たちは、こうした大型の野生動物の減少を食い止めるには、国際社会の協力が必要だと訴えています。
私たちも可能な限り、現在取り組んでいる支援活動を続けてゆきたいと思います。(広報:三間)