東京都の選択


温暖化・エネルギー担当の山岸です。
いよいよ東京都知事選が迫ってきました。

今回の都知事選では、脱原発をキーワードとするエネルギー政策が大きな争点となっています。

国のエネルギー政策を、東京都の知事選で争点化することを疑問視する声もありますが、エネルギーの大消費地である東京のために福島を含めた原発が使われてきていることを考えると、むしろ、どのようなエネルギーの将来が望ましいかを議論するのは当然といえます。

それでもそのような声が上がるのは、今回の都知事選が持ち得る影響が大きいからでしょう。

「原発への依存を続ける」という旧態依然の方向に逆戻りしかけている、国の「エネルギー基本計画」の議論も、(これが理由の全てではないでしょうが)都知事選の結果を待つ、様子見の状態です。

また、東京都は都政として、これまで気候変動対策や自然エネルギー政策について、かなり積極的に打ち出してきていました。

国レベルでの政策が滞る中、きちんとした温室効果ガスの排出量削減目標を掲げ、独自の排出量取引制度の創設や自然エネルギーの支援制度を通じて導入を促進していました。

これらは、他の自治体や、さらには国際的にみても参考となるような取り組みです。

そうした先進性が、今回の選挙結果を受けてどのような影響を 受けるのか。

国レベルの政策にとっても、そして、当然ながら東京都そのものの気候変動・エネルギー政策にとっても、重要な選挙となります。

原発への依存を断ち切り、同時に、自然エネルギーを大幅に推進して、気候変動を抑止していけるのか。どのような未来を都民の方々が選択するのか、私たちも注目して見守りたいと思います。

自然エネルギー

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自然保護室長(気候エネルギー・海洋水産・生物多様性・金融)
山岸 尚之

立命館大学国際関係学部に入学した1997年にCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)が京都で開催されたことがきっかけで気候変動問題をめぐる国際政治に関心を持つようになる。2001年3月に同大学を卒業後、9月より米ボストン大学大学院にて、国際関係論・環境政策の修士プログラムに入学。2003年5月に同修士号を取得。卒業後、WWFジャパンの気候変動担当オフィサーとして、政策提言・キャンペーン活動に携わるほか、国連気候変動会議に毎年参加し、国際的な提言活動を担当。2020年より自然保護室長。

京都議定書が採択されたときに、当地で学生だったことがきっかけでこの分野に関心をもち、大学院を経てWWFに。以来、気候変動(地球温暖化)という地球規模の問題の中で、NGOがどんな役割を果たせるのか、試行錯誤を重ねています。WWFの国際チームの中でやる仕事は、大変ですがやりがいを感じています。

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