煙で飛行機が飛ばない?!スマトラ島より
2014/03/17
自然保護室の南です。
いま、私たちが熱帯林の保全を支援している、インドネシア・スマトラ島中部のリアウ州に来ています。
が、大きな問題が発生しています。
連日、飛行機の欠航が続き、一時は空港自体も閉鎖されてしまいました。
日本で飛行機が欠航になるとしたら、まずは台風や大雪、といった理由が思い浮かびますが、ここリアウでは「煙」が原因です。この煙がすでに2カ月近く、街中を覆っているのです。
当然、視界も悪くなり、飛行機も頻繁に欠航。現地のWWFのスタッフたちも、青空をしばらく見ていないそうです。
何故、そんなに煙が発生しているのでしょうか。
これ、実はスマトラ島での森林火災が発生源です。
スマトラは、パーム油(植物油)を採るためのアブラヤシの栽培が盛んな島ですが、このアブラヤシを植えるために、森を焼き払ってしまうケースが多発しているのです。
特に、自分の土地を持っていない人などが、アブラヤシを植えるため火を入れることも多く、現地ではとても大きな社会問題にもなっています。
この煙による害、すなわち「煙害(ヘイズ)」が毎年ひどくなるのは乾季で、風向きによってはシンガポールやマレーシアまで煙が流れ、国際問題にまで発展しています。
インドネシア政府も、専門チームを組むなど対応に力を入れていますが、根本的な解決に繋がる対策は、まだ十分にとられていません。
地元紙によれば、現在火災が確認できる地点はすでに2000カ所を超えているとのこと。
こうした熱帯森の減少を食い止めるためにも、環境や社会に配慮して栽培されたRSPO認証パーム油を普及していかなければと思いながら、まずは帰りの飛行機が飛ぶかどうかを心配しているところです。
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