どこまでも続く熱帯の緑!でも、その正体は...
2015/09/26
自然保護室の南です。
インドネシアの活動現場に行く時、地方の飛行場から飛ぶ小さな飛行機に乗ることがあります。
この時、私は決まって窓側の席に座るようにしています。
国際線と違って、海ではなく陸の上を飛ぶので、窓からいろいろなものが見えるからです。
例えば、朝もやがかかる、東南アジア最高峰のキナバル山。
時には、人の手の入っていない鬱蒼としたジャングルを真上から見る機会にも恵まれます。
でも、一番よく見るものは、緑の点が整然と並ぶ奇妙な森。
これ、なんだと思いますか?
これは、アブラヤシの木。
日本ではしばしば「植物油」と表記されるパーム油を作るため、人の手で植えられた木です。
航空写真でこのアブラヤシの農園と、さまざまな色、高さ、形をした天然の森を比べると違いは一目瞭然。
本来、たくさんの種類の木々が織りなす熱帯の森は複雑な世界であり、そのことが多種多様な生き物たちが生きることを可能にしています。
しかし、アブラヤシだけが植えられた農園は、そうではありません。一見、森のように見えても、多様な生き物が生きていくことの出来ない緑なのです。
こうした農園から生産されるパーム油は、カップ麺、お菓子、洗剤、化粧品、などなどスーパーの商品の約半数に利用されていると言われるほど普段の生活と強く結びついています。
だからこそ、今ある自然の森森や野生動物を守りながら生産した「持続可能なパーム油」に切り替えていくことは大事な取り組みの一つ。
そのために私たちは、環境や社会に配慮したパーム油の証である「RSPO認証」の普及を推進しています。
皆さんにも是非、「植物油」を使った商品を手に取った時に、インドネシアの森やそこに暮らす動物たちと私たちの暮らしのつながりを考えていただけたらなと思います。