海外の石炭支援を見直すとき
2014/06/20
深刻化する地球温暖化に直面する国際社会にとって、化石燃料の中で、最もCO2排出量の多い石炭の消費量をいかに減らしていくかが今、重要な課題となっています。
この問題意識は、近年、少しずつ国際的に共有され、徐々にではありますが、「脱石炭」へ向けた動きが始まっています。
世界銀行、欧州投資銀行といった国際機関や、アメリカ、北欧諸国、イギリスなどが相次いで海外の石炭への支援を部分的、もしくは全面的にやめることを相次いで発表しているのです。
これは、決して易しい決断ではなかったはずです。
なぜなら、いまでも多くの途上国では、ガスや石油に比べて安い石炭の消費量が増えており、その理由は、経済成長に加え、エネルギーへのアクセスを確保すること(たとえば、電気が使えるようになるなど)である場合も多いからです。
しかし、温暖化問題の深刻化を踏まえ、将来を見据えたとき、同じ公的なお金で支援するならば、よりクリーンで持続可能な再生可能エネルギーを優先するべきとの姿勢が徐々に強くなってきました。
こうした流れの中で、実は先進国の中で最も遅れているのが日本です。
下記リンクからご覧いただけるインフォグラフからも明らかなように、日本の海外石炭事業への支援額はいわゆる先進国=OECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも断トツです。
日本はこれからも、自国の優れた効率的な石炭発電技術普及という名目で、石炭に対する海外支援を継続していく方針を示しています。
おりしも、6月16日からOECD加盟国の中で、輸出信用などの海外金融支援の在り方が議論され、こうした話題もとりあげられているそうです。日本でも、海外の石炭に公的支援をし続けることは、見直されるべきです。(温暖化・エネルギー担当:山岸)
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