交渉の前進を求める声が響く
2014/12/09
ペルーのリマより、温暖化担当の山岸です。
8日、ここで開かれている国連の気候変動会議(COP20)の会場に向かう参加者は、大きな写真を手にした若者の列に迎えられました。
昨年、フィリピンを襲った台風30号の被害状況を映した写真です。
この3年、フィリピンは毎年末、ちょうどこのCOPの会期中に、季節はずれの巨大台風の直撃を受けてきました。
特に、昨年の台風30号では、およそ1,200万人が被災し、7,000人を超える死者・行方不明者を出しました。
そして今年、1年前の被災地に再び上陸した台風22号は、これまでに少なくとも21人の死者を出し、1,200万人の人口を抱えるマニラ首都圏に迫っていると報じられています。
世界900のNGOでつくるCANインターナショナルでは、すべての会議関係者に、気候変動による被害者のために集い、黙祷を捧げるよう求めました。
この黙祷の後、フィリピンのNGOメンバーは次のように訴えました。
「フィリピンは毎年、この国際交渉のさなかに巨大台風に襲われています。各国はそのたびに弔慰と哀悼の意を表してくれます。しかし、その言葉とは裏腹に、交渉を遅れさせた代償をフィリピンに払わせ続けています。私たちに必要なのは同情ではなく連帯です。安全に暮らせる未来のための交渉の進展です」
今週、2週目の折り返しに入ったCOP20は、いよいよ閣僚級会合を迎えます。
ここリマに入る各国のリーダーたちは、この声に耳を傾け、言葉を行動に移すことが求められています。