COP20リマ会議が終了しました
2014/12/15
南米ペルーの首都リマで開催されていたCOP20が終了しました。
先進国・途上国が入り乱れての熾烈な交渉が繰り広げられ、会期を一日半延長した日曜日の午前3時に、来年に合意すべき2020年以降の新しい温暖化対策の国際枠組みに向けて、非常に弱いながらもなんとか道筋をつけることができました。
今回、これほどまでに交渉が激烈となったのは、温暖化交渉における伝統的な「先進国対途上国」という対立の構造が変化し、すべての国を対象とした国際枠組みのために「新しい考え方」が必要となっているからです。
来年のCOP21(パリ会議)で合意されるべき新しい2020年以降の枠組みに向かって、世界が新しい考え方を模索している中の「産みの苦しみの最中の交渉」といえるでしょう。
すべての国を対象とするといっても、当然まだまだ先進国と途上国の責任や能力の差は歴然です。
さらに途上国の中でも、先進国並みに開発が進んだ韓国、急激に開発が進んで排出量がうなぎ上りの中国など新興途上国、開発が遅れて温暖化の影響がより深刻化している低排出途上国など、それぞれの立場がここ20年で大きく差がつきました。
それに伴い、今まで一枚岩で交渉に臨んできた途上国の中でも、大きく意見が異なるようになったのです。
多様化している途上国、それに先進各国とのあいだの新しい責任分担に向けた新しい「衡平性の概念」が必要とされており、世界各国は今大きく戸惑いながら、合意への道を模索している途上です。
COP20のため世界から集まったWWFのスタッフたちも、日々情報交換しながら朝から夜まで会場を走り回り、より高い着地点を目指して頑張りました。
最後は徹夜で、寝ていない目をこすりながら、会議の弱い結果に肩を落として失望する仲間もいました。
残念ながら今回の合意は、決して十分なものにはなりませんでしたが、それでも世界が2015年末のCOP21で新しい枠組みに合意する道筋はついたと言えると思います。
また勇気を奮い起こして、来年の合意に向けて頑張っていきたいと思います。(温暖化担当:小西)