ネパールの人たちを支えましょう


4月25日、ヒマラヤ山麓の国、ネパールで大規模な地震が起こりました。

報道によれば死者は1万人に上る可能性もあるとのこと。山間部での被害などがくわしくわからない中、国内でも大きな混乱が起きているようです。

ネパールは、私たちWWFにとっても、長年活動を続けてきた大切なフィールドが数多くある国の一つです。

ヒマラヤ南麓に広がる、テライ・アークと呼ばれる丈の高い草原には、ベンガルトラやインドサイなど、多くの希少な野生動物が生息し、また世界最高峰の高山帯にも、他には類を見ない自然が息づいています。

ネパール各地では実際、そうした貴重な自然環境を守るため、100人にのぼるWWFのスタッフたちが、日々の活動を続けていました。

今回の震災では、WWFのスタッフは全員無事が確認でき、各地の活動拠点も最小限の被害でとどまったようだとのことです。

ヒマラヤの名峰アンナプルナ。WWFもその自然保護区の設立と保全計画の立案に尽力しました。

幻の獣といわれたユキヒョウ。WWFはネパール西部で1985年に初めて調査を行ない、その生態を明らかにしました。

しかし、報道されているように、今も現地では余震が続き、人々は屋外で寝泊りすることを強いられ、広い地域で停電が続いているといいます。給水や、衛生状態も心配されます。

WWFネパールでは当面、全てのオフィスを閉鎖して活動を休止し、地元地域や家族のことに専念することにしました。

私たちWWFは残念ながら、人道支援のための活動を行なっておらず、そのためのノウハウも持っていないため、ネパール被災地向けの募金活動等は予定していません。

ですがせめて、ネパールで働く同じWWFの仲間たちを支えようと、日本の事務局でもスタッフでカンパを募ることにしました。

インドサイの聖地、ネパールのロイヤル・チトワン国立公園。ここ数年、徹底したパトロールにより、密猟がほぼゼロに抑えられてきました。震災による状況の変化が心配されます。

私自身も東北出身なのですが、思えば、3.11の大震災の時にも、世界各国のWWFのスタッフたちが、支援と、たくさんの励ましの声を届けてくれました。

一日も早く、日常の暮らしが戻り、保護活動が再開できるように、今度は私たちにできることをしたいと思っています。

さまざまな団体や機関が、ネパール支援の取り組みを行なっています。皆さまにもぜひ、ネパールの人たちを支えていただければと思います。(自然保護室長:東梅貞義)

ネパールでは氷河湖の決壊による災害も起きています。地球温暖化の影響も懸念されています。

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事務局長
東梅 貞義

国際基督教大学教養学部理学科卒業(生物専攻)。英国エジンバラ大学修士号(Master of Science)取得(自然資源管理専攻)
1992年WWFジャパンに入局以降、日本全国各地の重要湿地の保全活動に携わる。
2019年からはシニアダイレクターとして、WWFジャパンが手掛ける地球環境保全活動全般を統括。
2020年7月 WWFジャパン事務局長就任
座右の銘は、Together possible 「一緒なら達成できる」

自然保護に取り組み30年近く。これまでのフィールドは、日本では南は石垣島のサンゴ礁から、北海道の風蓮湖まで、世界ではペンギンの生きる南米の海から、渡り鳥の楽園の黄海、そしてミャンマー・タイの東南アジア最大級の手つかずの森まで。野生生物と人の暮らしが交差する現場で、現地の人々や研究者、グローバル企業、国際機関の方々とご一緒に、自然保護と持続可能な未来を目指して日々取り組んでいます。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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