地球温暖化防止に向け挑戦を続ける国に贈られた「世界の賛辞」
2015/06/07
気候変動に関する国連会議が開かれているドイツのボンより、温暖化担当の小西です。
会議の1週目が終わりました。
今回の最大のテーマは、今年末にパリで開かれる国際会議(COP21)で合意される予定の「2020年以降」の新しい温暖化防止のための国際枠組みの準備です。
同時に、「2020年まで」の温暖化防止を底上げする話し合いも、重要テーマになっています。
その基礎になるのは、各国が出している、2020年までの温室効果ガスの削減目標。
今回の会議では、昨年のCOP20リマ会議に続き、その目標について、各国がお互いに質疑応答する場が持たれました。
これまで国際交渉では、ありそうでなかった機会で、非常に新鮮かつ有意義な印象を受けました。
今回の会議で注目されたのは、オーストラリア、カナダ、日本、それにドイツやイギリスです。
特に、「1990年比25%削減」を発表しながら、2011年に「2005年比3.8%削減」に、目標を後退させた日本には、たくさんの質問が寄せられました。
「2020年目標は暫定ということだが、いつ確定するのか?」「非常にひくい目標だが、確定目標の際には上げるのか?」といった厳しい質問に、日本は「原発の再稼働が読めず、まだ確定目標は出せない」といった頼りない回答を返していました。
一方、譴責とは異なった質問を受ける国もありました。
総じてヨーロッパの国々には、「EU(欧州連合)としての削減目標を、どう分担しているのか」といった、関心の高い質問が相次ぎ、世界の温暖化対策におけるEUのリーダーシップを改めて感じました。
特にドイツには、なんと中国も含めた各国から、口々に「再生可能エネルギーや低炭素社会づくりの、好例を示してもらい感謝している」という賛辞が送られました。
各国がこぞって質問したのは、再エネの奨励策です。ドイツは、今後も明確に再エネの導入を進めること、そして、その舵取りを徐々に市場にゆだねる方向に動き始めていることを説明していました。
批判を受け、試行錯誤しながらも、温暖化のない未来に向かって挑戦を続ける国には、やはり世界が敬意を払います。いつか日本がこんな尊敬を集める日が来ることを望みたいものです!
関連情報
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