ボンでの国連気候変動会議が閉幕しました
2015/06/14
ドイツのボンより、温暖化担当の小西です。
こちらで開かれていた国連の気候変動会議。最後の最後に、希望をつなぐ結果となりました。
今回のボン会議の焦点は、年末にフランスのパリで開かれる重要な国連会議(COP21)に向け、そこで各国が温暖化防止のために交わす約束の「合意文書」の案が、整理できるかどうか、でした。
その包括的な案を、次の8月び会合までに議長が作ることに、合意できたのです!
2週間の会期中、各国はテーブルの上にある90ページもの文書案を前に、お互いに「あーでもない、こーでもない」と細かい言葉をひねくり回し、作業はほとんど進みませんでした。
しかも、パリのCOP21では、先進国と途上国の差を明確に定めていた「京都議定書」と異なり、全ての国を対象とした新たな合意を目指しています。
その中で、両者の差異化をどのように探っていくか等、この先さらに、大変な難題に答えを出していかねばなりません。
ですから本当は、さっさと文書案の整理は終えて、早くそうした難題の交渉に入る必要があるのです。
「このままでは、パリに間に合わないのではないか?」各国がそんな不安を感じ募らせていた最終日のことでした。
共同議長が「次の8月の会合に向け、パリ合意の議長案を作ってもよいか」という提案をしたのです。
従来、議長案を作ることに対しては抵抗を示す国も多かったのですが、これしか前に進む道はない、という共通理解で、各国は最後に一致してそれを承認。議長に任せることとなりました。
もちろん、8月の会合で「議長の案が気に入らない」といって、また振出しに戻る可能性もあります。
それでも、何とか次に希望をつなぐ形で、今回のボン会合は終了することができました!
年末のパリに向けてますます盛り上がる温暖化防止の国際交渉。
7月2日に東京で予定している今回の会議の報告会では、その基礎から分かるようにお伝えしますので、ぜひご参加ください!