3月3日は「世界野生生物の日」、5回目!


3月3日は「世界野生生物の日」。
国連によって制定された記念日で、1973年3月3日に「ワシントン条約」が調印されたことにちなんでこの日が選ばれました。

記念日とはいうものの、野生生物の置かれている状況はとても喜ばしいものとは言えません。

絶滅のおそれがあるとされる動植物はおよそ2万5,000種!

要因はさまざまですが、主なものを挙げるなら、森や海などの開発による 生息地の喪失、魚や植物などの過剰な漁獲や採取、象牙に代表される止まない違法取引や密猟の問題など。

その多くが、私たち「ヒト」 の暮らしを支え、豊かにするため、引き起こされているものです。

そんなつながりを振り返り、野生生物の状況に思いを馳せ、自分にできることを考えて欲しい、記念日にはそんな思いも込められています。

ちなみに、ワシントン条約では毎年、テーマを決めているのですが、今年は「ビッグキャット(Big Cats)」でした。

100年前には10万頭いたとされる野生のトラですが、現在は3,900頭に満たないと言われています。

ビッグキャットとは、トラやライオン、ヒョウなど大型のネコ科動物のこと。

これらの動物は獲物となる他の動物が豊富にいないと生きられないことから、豊かな自然の象徴ともされています。

最近は、シベリアトラが増加しているとの嬉しい報告もありました。

まだまだ状況が厳しい地域も多くありますが、私たちは2022年までに世界の野生のトラを2倍にする!という目標のもと保護活動を進めています。

また、そんな活動についても知っていただく機会として、トラフィックでは毎年、この「世界野生生物の日」に動物園などでワシントン条約に関するパネル展示を行なってきました。

今年も横浜や東京の動物園で実施していますので、お近くに行かれることがあったら、覗いてみてください!
(トラフィック 西野)

関連情報

絶滅のおそれのある野生生物の脅威について、動物では1番、植物では2番目に生物資源としての利用があげられる。(IUCN Red List 2015.4よりトラフィック集計 [単位:種数] )

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自然保護室(野生生物 グループ長)、TRAFFIC
西野 亮子

学士(芸術文化)
2009年よりTRAFFICにて広報分野を中心に従事し、イベント運営、出版物作成などワシントン条約に関する普及啓発に努める。2016年からは重点種(特に注力すべき種)プログラム推進に携わり、取引を中心とした現状調査を担当。2018年以降は、関係する行政機関や企業へ働きかけ、取り組み促進を促す活動に従事し、野生生物の違法取引(IWT)の撲滅、持続可能ではない野生生物取引削減を目指す。ワシントン条約第70回常設委員会参加。東京都象牙取引規制に関する有識者会議委員(2022年3月終了)

「野生生物を守る」ことを起点に、そこに暮らす人、その場所の環境、そして利用する側の意識、すべての段階で取り組みが必要です。生息地から市場まで、それらを繋ぐことが私の役割です。

人と自然が調和して
生きられる未来を目指して

WWFは100カ国以上で活動している
環境保全団体です。

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