「住みたい町ナンバーワン」でお魚レスキュー
2016/01/30
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広報の佐久間です。
先週末、「住みたい町」で有名な吉祥寺にある井の頭公園の池で、お魚すくいをしてきました。
いま、井の頭公園では、2014年に続いて2回目となる「かいぼり」がおこなわれています。「かいぼり」とは、池の水をいったん抜くことをいいます。
池底を日にさらすことで水質の改善を図るとともに、オオクチバスやブルーギルなど、もともと井の頭池にはいないはずの「外来魚」を取り除くことが目的です。
もちろん、外来魚たちには、何の罪もありません。けれども、繁殖力も競争力も強く、昔から井の頭池で暮らしていた在来魚や、カイツブリのヒナまでも食べてしまうため、生物の多様性を保つには、取り除かざるをえないのです。
WWFは、団体としてこの「かいぼり」事業にかかわっているわけではありませんが、スタッフ有志数名が、「お魚レスキューボランティア」に参加しました。
わずかに残った池の水の中から、網で魚をすくいあげること1時間。
2年前のかいぼりの時は、すくってもすくってもブルーギルばかりだったのが、今年は、在来魚であるモツゴとの遭遇率が、格段にアップ。結果的に、最も多く捕獲されたのはブルーギルでしたが、在来魚も確実に増えていることが実感できました。
2年前のかいぼりのあと、井の頭池では、50年間も見られなかった水草が復活したり、カイツブリの繁殖率が回復したり、オカヨシガモの滞在が見られたり、嬉しい変化が起きているそうです。
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在来種のモツゴ。クチボソとも呼ばれます
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外来魚のブルーギル
一方で、取り除ききれなかった外来魚が再び増えてきていたり、かいぼり後に放流されたと見られるキンギョや外国産のカメなども見つかっているといいます。
駆除される生きものも、外来種の影響で暮らせなくなっていく在来の生きものも、身勝手な人間の行為の犠牲者。そして、同じような問題が、日本全国の水辺で起きています。
都会の真ん中にある小さな井の頭池が、本来の生態系のバランスを取り戻す先がけとなることを願って、これからもお手伝いできたらと思っています。
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獲った魚たちの仕分け作業