鳥の翼がつなぐアジアの水辺
2016/11/14
先日、中国は上海の北、長江河口の中洲の島、崇明島に行ってきました。
中洲といっても、崇明島は東西の長さは約80キロ、淡路島の倍以上の広さを持ち、上海からは河口を渡る10キロの橋と10キロのトンネルを通り、ようやっとたどり着く場所。
住んでいる人も200万人いるそうで、さすがはアジアの大河に浮かぶ島です。
今回訪れたのは、渡り鳥の重要な飛来地で、国際的な湿地保全条約「ラムサール条約」の登録地でもある、崇明東灘鳥類国家級自然保護区。
そして、WWF中国の仲間たちが湿地と渡り鳥の保全活動に取り組む、新しいフィールドでした。
ここにやってくる、シギやチドリ、カモなどの水鳥は、日本でも見られる種類ばかり。
中国のスタッフがくれたガイドにも、ダイシャクシギやメダイチドリ、カルガモ、ヨシガモと知った顔が並びます。
が、周辺のアシ原などにいる小鳥の類には知らない鳥が多くいました。
実際、双眼鏡を下げて外を歩いていた時にも、突然すぐ近くの藪から、聞いたことのないけたたましい鳴き声が。
「あれは何だい?」
「Long-tailed shrikeだよ」
モズ...らしいが、そんなモズ知らない!
ウムこれは、と後で調べたら、なかなか日本では見られないタカサゴモズと判明。他にもいくつか楽しい調べ物の宿題ができました。
ここで記録された鳥類の種数は、実に490種。シギやチドリの渡り鳥だけでも、毎年25万羽が飛来します。
各地の沿岸でこうした湿地の自然が失われゆく中、WWF中国の仲間たちは「この場所で、中国で一番の湿地保全モデルを創り上げたい」と、意気込みを語ってくれました。
鳥の翼がつなぐアジアの水辺。
その自然を、私たちもまたつながりながら守っていく取り組みを目指してゆきたいと思います。(広報 三間)